月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ!
月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ! (コバルト文庫)月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ! (コバルト文庫)
(2012/08/31)
氷室 冴子

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まさか、今になって氷室冴子さんの新刊が読めるとは思ってもみなかった。


私の中学・高校時代は集英社コバルト文庫の黄金期で、氷室冴子さんは その看板作家だった。

「シンデレラ迷宮」でファンになり、その後は他の出版社のものも全て、氷室さんの著作を見付ける度に買った。

コバルト文庫の他の作家の本を読まなくなってからも、氷室さんだけは別で、二十歳過ぎても相変わらず新刊を楽しみに待ち続けた。


ところが、1996年、「銀の海 金の大地」11巻を最後に、ぱったりと新刊が出なくなってしまう。

「銀の海 金の大地」は、古事記の「佐保彦の叛乱」をモチーフにした大作だった。

11巻で、序章とも言うべき「真秀(まほ)の章」が完結し、次からはいよいよ本編「佐保彦の章」に突入…というところで、11巻のあとがきを読む限り、氷室さん御自身も非常に意欲的で、この作品に対する並々ならぬ思い入れが感じられた。


それなのに、である。


いつかきっと…と、続きを待ち続けて12年が経過した2008年6月、氷室さんの訃報を聞き 茫然とした。

「銀の海 金の大地」も、「碧の迷宮」も、「冬のディーン 夏のナタリー」も、もう永遠に 続きを読むことは叶わなくなってしまった。



ところが、今年の8月31日に氷室さんの新刊が出たというのである。

早速注文したが、これがなかなか届かない。

9月9日に注文して やっと届いたのは9月24日で、奥付を見ると半月ほどで第二刷となっている。

そして、新刊だというのに、帯も、いつもは付いてる「乙女ちっく通信」というインフォメーションペーパーも 栞もない。ガッカリ…。

それほど売れると見込んでいなかったのが予想以上に売れてしまい、大慌てで刷ったので 帯やチラシにまで手が回らなかったのだろうか?



待望の新刊は、単行本未収録だった「月の輝く夜に」、「少女小説家を殺せ!」、「クララ白書番外編 お姉さまたちの日々」の3編に、「ざ・ちぇんじ!」前・後編を加えた計4編で構成されている。

単行本未収録作品だけでは1冊分としてややボリュームが足りなかったのかもしれないが、「ざ・ちぇんじ!」は既に持っているので、往年のファンとしては単行本未収録作品だけにして価格を抑えてくれたほうがありがたかった。


が、これほど内容がバラバラの4編をまとめて1冊の本にするなんて、通常は考えられないことなので、そこまでしてこの本を出した編集部の熱意には感動するし感謝もする。


「月の輝く夜に」は 独立した短編でシリアスな平安朝もの。

「少女小説家を殺せ!」は 個性的な少女小説家たちが しのぎを削る業界パロディ「少女小説家は死なない!」の続編。

「お姉さまたちの日々」は ミッションスクールの寄宿舎を舞台にしたコメディー「クララ白書」シリーズの番外編。

「ざ・ちぇんじ!」は平安時代後期に成立した作者不詳の「とりかへばや物語」を少女小説にアレンジしたもの。



十七歳の貴志子は親子ほどに歳の離れた恋人の有実(ありざね)から、娘の晃子(あきらこ)を預かってほしいと頼まれる。

晃子は十五歳。どうしても貴志子に会いたいのだと言うが、貴志子は気が進まない。

晃子の母で有実の正室・豊姫との間で揉め事があったばかりでもあり、晃子の真意が解らなかった。

流されるままに承諾してしまい、それっきり忘れていた貴志子だったが、ある日 ほんとうに晃子が訪ねてくる。(月の輝く夜に)




初出一覧を見ると、「1990年Cobalt10月号に掲載された同タイトル作品に、2005年Cobalt2月号掲載時、加筆したもの」とある。

「銀の海 金の大地」11巻が最後かと思っていたが、これが氷室冴子さんの最後の作品らしい。


コメディーを多く書かれているので その印象が強いが、こういったシリアスな平安朝ものを読むと、とても美しい文章を書かれる方だったとあらためて思う。

誰も幸せではないのに、読み終えてみれば 美しかったなと、ただそう思う。


表紙と挿絵は今市子さんで、これまた美しくてイメージにぴったりだった。



もうどうしようもないことだけど、角川文庫から出ていた「碧の迷宮」の続きも読みたかったなぁ…

シリアスな平安朝ミステリーで、平成元年に上巻が出てそれっきり。

でも、私の記憶違いでなければ、それから4、5年後のこと、書店に貼り出してある「今月の新刊」という一覧表に「碧の迷宮・下巻」が載ったことが確かにあった。

そこに書かれていた発売日に嬉々として買いに行ったけど、その日発売の他の本はちゃんとあるのに「碧の迷宮」だけなくて。

それから何日も通いつめて探したし、店員さんにも聞いたけれど「出てませんねぇ」と言われるばかり。

「今月の新刊」に載ったということは、もう原稿は上がってたと思うんだけど…

どうして出なかったのか、未だに謎である。


「碧の迷宮」にもきっと今市子さんのイラストが合うだろうな~と思う。

出してくれないかな~。

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[2012/10/04 17:26] 氷室冴子 | トラックバック(0) | コメント(8) | @
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