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ひさの星
ひさの星 (創作絵本 7)ひさの星 (創作絵本 7)
(1972/01)
斎藤 隆介

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子どもの頃、私の家には本があまりなかったので、小学校に入学していちばん嬉しかったのは、図書室で本が借りられることでした。
小さな田舎の小学校のこと、図書室もたいして広くはなく、蔵書もそれほど多くはなかったはずなのですが、当時の私にはじゅうぶんでした。
こんなにたくさんの本の中から、どれを借りて帰ってもいいんだと思うと、嬉しくてたまらなかったのです。


その図書室で借りた2冊目の本が、この「ひさの星」でした。
岩崎ちひろさんの表紙絵に惹かれて借りたものの、内容はそれほど印象に残らず、その後二度と借りることはありませんでした。
ちゃんと意味も解って読んでいたし、ひさを可哀想には思ったのですが、なぜかフィルター越しに情景を見ているような曖昧な印象しか残らなくて。
馴染みのない方言での語りも、その頃の私には親しみにくかったのかもしれません。


ところが、娘が生まれて、絵本の読み聞かせをするようになって、二十数年ぶりに開いたこの絵本は、おとなの私を号泣させました。


ひさは、十か十一くらいの、無口で控えめな少女です。
あかちゃんを犬から守るために、その子の上に覆いかぶさって庇い、噛み傷だらけで家に帰ってお母さんに叱られても、「犬にかまれて…」としか言わないような、そんな子どもです。


この絵本のあとがきで、作者の斎藤隆介さんは、ひさのことを「蛍のようにかそけくしずかな少女」と表現しています。
「黙ってその道を歩き、ひとにほめられたりしたら頬を赤くするような人が、私には星のように輝いて見える」とも。


宮澤賢治の「雨ニモマケズ」は「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」で結ばれていますが、「サウイフモノ」とは、ひさのような人のことかと、ふと思いました。



子どもの頃に読んだ時は、「お母さんに叱られたら『あかちゃんをかばって犬にかまれた』って、ちゃんと言えばいいのに!」と、ひさの性分が腹立たしく、ちっとも理解できなかったのですが、今なら少し解るような気がします。
それどころか、芯が強くてまっすぐで、それでいて控えめな子どもが、いじらしくて愛おしいのです。
おとなの目で読むと、これほどに印象の変わる絵本もあるのだと、その時思いました。


ひさがいなくなった日の夜から、東の空に輝きはじめた青い星を、村の人々は見つめます。


「ああ、こんやも ひさの星が でてる」




1972年の初版以来、今も版を重ねるロングセラーです。


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[2009/03/12 15:17] 斎藤隆介 | トラックバック(0) | コメント(8) | @
花さき山
花さき山 (ものがたり絵本 20)花さき山 (ものがたり絵本 20)
(1969/01)
斎藤 隆介

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やさしいことを すれば 花がさく。
いのちを かけて すれば 山が うまれる。
うそでは ない、ほんとうの ことだ……。




十歳の少女、あやは、山菜を採りに入った山で道に迷い、不思議な老婆に出会います。
そこは、美しい花がいちめんに咲く、花さき山。


ふもとの村の人間が、優しいことをひとつすると、花がひとつ咲くのだと、老婆は語ります。
今、あやの足元に咲いている赤い花は、昨日あやが咲かせた花なのだと。


それは、妹のそよが、祭りの晴れ着が欲しいと泣いて、母を困らせたときのこと。
家が貧乏で、二人分の晴れ着を買えないことを知っていたあやは、自分はいらないから、そよに買ってやってと言ったのでした。


おまえは せつなかったべ。
だども、この 赤い花が さいた。
この 赤い花は、どんな祭り着の 花もようよりも、きれいだべ。



そして、もうひとつ、露をのせて咲きはじめた、ちいさな青い花。
それは、ちいさな双子の男の子の兄のほうが、今咲かせているもの。
弟が母を独り占めにするのを、自分はあんちゃんだからと、目にいっぱい涙をためて辛抱して。
その涙は、露となって花に光ります。


いちめんに咲く花、花、花…。
黒い地に、はっとするほど鮮やかに浮かび上がる無数の花たち。
滝平二郎さんの切り絵は、迫力に満ちて美しく、そして、とても日本的です。
どこのものとも知れぬ方言で語られる、民話のような物語に、これほどふさわしい絵はないと思えるほど。


「今、花さき山に私の花が咲いている」
そう思えることがたくさんあるように、生きていけたら素敵ですね。
1969年初版のこの絵本が、今なお読み継がれるロングセラーだというのは、とても嬉しいことです。


どうか、これからもたくさんの子どもたちに、この絵本に込められた作者の祈りが届きますように。

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[2007/11/05 16:30] 斎藤隆介 | トラックバック(0) | コメント(4) | @
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