大好きな絵本や児童書を中心に、小説や漫画のこと、 日々の徒然などをのんびりまったり綴っています
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「あのね、かあさん、まほうが つかえたのよ、ほんとよ……」 ぼうやをなくしたばかりの母ぎつねと、人間の男の子、そして、やさしい電話ボックスのお話です。 NHK教育テレビの「おはなしのくに」で聴いて泣き、本を買ってきてひとりで読んで泣き、読み聞かせの途中では号泣してしまって、一度もまともに聞かせられなかった痛恨の一冊。 こぎつねの言葉や仕草が、それはそれはかわいらしいんですよ。 そして、「ぼうやが うれしいと、かあさんは いつも うれしいの」という、親の気持ちを凝縮したような母ぎつねの言葉が、とても印象的です。 その可愛いこぎつねが死んでしまって、「なみだでからだがとけてしまいそうなほど」泣き続ける母ぎつね。 切なくて、痛ましくて、こちらまで胸の奥が冷えていくような気がします。 ある夕暮れ、ようやく、「元気をださなくちゃ……」と、力ない足取りで歩き始めたきつねは、山のふもとで電話ボックスを見つけます。 そこで電話をかけていたのは、ちいさな男の子。 男の子は、遠い町の病院に入院しているおかあさんに、毎日電話をしていたのでした。 「かあさん、あいたいな……」 死んでしまったぼうやが、自分に話しかけているようで、きつねは毎日、男の子の声を聞くために山を下りて電話ボックスに向かいます。 くる日もくる日も、草の中にすわって、男の子の声にじっと耳を傾けます。 そして、 「ええ、かあさんも、あいたいわ……」 「かあさんも、うれしいわ……」 男の子のひと言ひと言に、そんなふうに返事をしてしまうのでした。 そんなある日、きつねは、その古い電話ボックスが近いうちに撤去されることを知り、途方にくれます。 もうすぐ男の子がやってくるというのに、電話ボックスにはあかりが灯りません。 きつねは、いったいどうしたと思いますか? たくさんのやさしいものを集めて、できたようなお話です。 長い間、人に使われてきた物には、魂が宿るといいます。 数えきれない人々の声を、思いを、運んできて、その役目を終えようとしている電話ボックスにもまた、心が宿ったのかもしれません。 児童書ですが、挿絵が豊富で字も大きく、漢字にはルビがふられていますので、ひらがなの読めるお子さんならひとりで読めると思います。 ↓こちらは後で出た絵本版ですが、絵本向けに表現を変えてある箇所もあるそうなので、どちらを選ぶかはお好みで。
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