RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女
RDG4 レッドデータガール    世界遺産の少女 (角川文庫)RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女 (角川文庫)
(2012/12/25)
荻原 規子

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戸隠から帰り、残りの夏休みを玉倉山で過ごした泉水子は、深行から意外な事実を知らされる。

和宮が深行に憑いてしまったこと。

合宿中、如月仄香の舞で 深行と真澄が消えてしまった例の一件の顛末。

そして、現実とは異なる層で、泉水子と真夏を連れ戻すために力を貸してくれたのが和宮だったということ。


夏休みが終わって鳳城学園に戻った時、正門をくぐったところで 泉水子はかすかな違和感を覚える。

学園祭の準備に追われ 忘れてしまうが、水面下ではひっそりと陰陽師の計画が動き出していた。


今年のテーマである「戦国学園祭」の衣装の着付け講習会で、急遽モデルを務めることになった泉水子は 三つ編みを解くことによる姫神の出現を危惧するが、深行に教わった九字の護身で何とか乗り切ったかに見えた。

が、その護身が仇となり、講習会を終えた後、髪をきっちりと編み直した泉水子に姫神が降りる。

もはや紫子が泉水子にかけた暗示は解け始め、三つ編みは封印の意味を成さなくなった。

姫神は深行に恐るべき事実を語る。



RDG3の感想はこちらから。



※ネタバレがありますので未読の方はご注意ください。





今まででいちばん泉水子の態度にイラッとさせられた巻だった。

深行が気の毒でたまらない。

姫神を畏れながらも、なんとか機嫌を損ねないよう 姫神の気の済むようにさせつつ、泉水子を取り戻そうと頑張ったというのに、どこをどう解釈したら姫神とのデートを楽しんでいたことになるのか。

泉水子にも真響にも全く共感できず、泉水子は「なにこのめんどくさい女」って感じだし、真響には「片方の言い分しか聞いてないくせに知ったふうな口きくんじゃねーよ」と言ってやりたい。


今回 姫神の衝撃の告白を聞いて思ったのは、泉水子がさっさと死んじゃえば姫神に成り代わることも人類を滅ぼすこともないんじゃないの?ってことだった。

ほんともうそれくらい泉水子がうざかった…

実際はそう簡単にはいかないから、姫神がああも気の遠くなるような手間ひまかけて時を彷徨い、未来を改変しようとしているのだろうけれど。

にしても、姫神=未来の泉水子(?)と考えると やっぱり深行と同じようにタイムパラドックスに頭を抱えてしまう。



この巻のクライマックスは姫神の告白だったが、次に印象に残ったのは戦国学園祭の全体イベント第二案の内容だった。

川中島合戦のようなメジャーなものではなく、地元を意識したローカル・バージョン「八王子城の攻防」。

小田原城の支城だった八王子城の落城は、当時でもめったに見ないほどひどい流血沙汰だったという。

歴史の教科書には載っていないローカルな史実ではあるけれど、戦国時代の終焉を招く重要な合戦だった…とか、歴史は結構好きだったのに全然知らない内容で興味深かった。


その八王子城の亡霊を呼び寄せて、高柳がしようとしているのは一体何なのか?

次の巻でやっと学園祭が始まる。


ストーリーは面白いんだけど、泉水子がもうちょっと魅力的だったら あんまりストレスなく読めるのになー。

美人でなくても性格が地味でも全然かまわないけど、とにかくイライラさせられるし思考回路が理解できない 共感できない うざい!

今のところ姫神が憑くという特殊な血筋以外に惹きつけられるものがない。


残すところあと2巻。

次巻こそは少しくらい泉水子を好きになりたい。ヒロインなんだから。


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[2013/09/28 16:50] 荻原規子 | トラックバック(0) | コメント(2) | @
RDG3 レッドデータガール 夏休みの過ごしかた
RDG3 レッドデータガール  夏休みの過ごしかた (角川文庫)RDG3 レッドデータガール 夏休みの過ごしかた (角川文庫)
(2012/07/25)
荻原 規子

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鳳城学園に入学して初めての前期試験をまずまずの成績で乗り切った泉水子。

泉水子と深行、そして宗田真響・真夏姉弟が所属する生徒会執行部は、夏休みに 宗田姉弟の実家のある長野県戸隠で合宿することになる。

今年の学園祭のテーマが「戦国時代」に決まり、もう既に 生徒全員分の着物や鎧(それもかなり本格的な)が 借りられることになっているという。

その大掛かりなテーマパーク的企画の、山ほどある事前準備と素案作りが合宿の目的だった。

合宿の前に個人的に真響の家に招待された泉水子は、初めての経験に胸をはずませる。

玉倉山にいた頃は、「友だちの家に遊びに行く」という ごくあたりまえのことさえ出来なかったのだ。

しかし、戸隠という土地は 殊に宗田姉弟にとっては特別な場所だった。

三つ子の一人「真澄」が存分に力を振るえる土地であり、それが真響の思惑とも相俟って様々な騒動を引き起こす。

合宿が始まって間もなく、真夏の愛馬が危篤だという知らせが届き、動揺した真夏は 真澄に身代わりを頼んで姿を消してしまう。




RDG2の感想はこちらから。



※以下、少々ネタバレしてますので未読の方はご注意ください。



前巻の最後に深行の前に再登場した和宮はどうしてるだろうと思いつつ読み進めたが、なかなか出てこない。

やっと…!と思ったら本人(?)が登場するわけでなく、あーなるほど、そういうことね…という感じだった。

深行いわく「今のところ、なんて呼べばいいかよくわからないやつ」は、深行の為には力を使わせてくれないらしい。


鳳城学園の学園祭というのは、どうやら一般的な高校のそれとは全く性質の異なるものらしく。

それは規模の大きさという意味だけでなく、特殊能力を持った生徒たちのうち 誰が最も強いかの決着をつける行事でもあるということ。

まさか毎年そんなことをしてるわけでもないだろうけど、「学園祭」という 外部に向けて開かれている状態が 術を仕掛けるのに何かと都合が良いらしい。(少なくとも陰陽師の高柳には)

選ばれた ただ一人が「世界遺産候補」になるということを真響から聞かされ、ここにきて初めて泉水子も読者も鳳城学園が設立された真の意図の一端を知ることとなる。



戸隠では真澄の正体がわかったり、生徒会長の如月仄香や泉水子の舞が及ぼす力に 「ああ、やっぱり」と思いつつも感心したり、なかなか姿を現さなかった紫子さんが意外にあっさり(?)登場したのに驚いたり。


九頭龍大神の頭ひとつ分で見る夢が「真澄」だというなら、「真澄」は六歳で死んだ三つ子の一人とはまるで無関係なのか?

いや、それなら ああも真響と真夏にシンクロしないと思うが、じゃあ何かと問われたら よくわからない。

子どもは七歳までは神様のうちというから、六歳で死んだ真澄は戸隠の神様の一部になって、きょうだいに呼ばれたから神霊となって現れたのか?

今回のようなことがあって尚、真澄はきょうだいの呼びかけに応えて現れることができるのか?


そして今回、とうとう姿を現した紫子さん。


想像通りにカッコよかった紫子さんに「……きれいだなあ」と見惚れる深行。

「なに言ってるの、あんなにしっかり年増なのに。」と返す泉水子。

年増って…(笑)


これまでの雪政の発言と今回の泉水子の言葉から計算すると、泉水子が中三の時点で雪政33歳、大政がそれより4つ上、紫子が大政の4つ上…

現時点で紫子さんは42歳くらいだろうか。高一男子に「きれいだ」と言われる42歳。羨ましい。



その紫子さんの言葉からも 学園祭が泉水子と深行にとって重要な分岐点になると思われ、真響と高柳の対決や真澄の今後も含め、続きが楽しみである。
(ちなみに文庫版はもう5巻まで出ているので続きはすぐ読める。今まで積ん読で、今頃3巻の感想って…><)



ところで今回、本筋とは違うところで興味深かったのが戸隠に伝わる「忍法体術」だった。

フィクションの忍法や忍術と区別するために そう呼ぶとのこと。


「忍法体術が他の武術とちがうところは、忍びの者の目的が、たいていは諜報活動や隠密工作であって、その使命のまっとうが第一だという点です。つまり、敵地にしのんでその場を逃げおおせるための技術であって、攻撃も、多くは逃げる手段に使うものです。致命傷を与える必要はなく、出会いがしらに相手の動きを封じたり、自分の逃げる先から目をくらませたりします。これを『遁走型』といいます」


これぞリアルな忍者!

忍術兵法書「万川集海」の現代語訳などからも 本物の忍者は そういうものだったんだろうなーと思うのである。

忍術とは、フィクションでよく見かける魔法のようなものではなく、地道な情報収集や情報の撹乱が主で、直接戦闘に関わることは稀だったのではないかと。


本筋とは違うところでも楽しめる1冊だった。


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[2013/08/30 17:07] 荻原規子 | トラックバック(0) | コメント(0) | @
RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧
RDG2 レッドデータガール  はじめてのお化粧 (角川文庫)RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (角川文庫)
(2011/12/22)
荻原 規子

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生まれ育った紀伊山地の玉倉山を出て、東京の鳳城学園高等部に進学することを決めた泉水子。

父・大成とハウスキーパーの佐和に付き添われ、初めて訪れた鳳城学園は、高尾山の北側に位置する 木々に囲まれた静かな場所にあった。

家から遠く離れての初めての寮生活に 不安の塊になっていた泉水子だったが、その環境に わずかながら安堵する。


一足先に中等部に編入していた深行と再会するも、裏表のある優等生ぶりは相変わらず。

しかし、前巻の終盤になっていくらかの歩み寄りを見せた深行は、意外と面倒見が良い。


寮で同室の宗田真響(そうだ まゆら)と、その弟の真夏(まなつ)とも親しくなり、なんとか無難に新生活のスタートを切ったように思われた泉水子だったが…。

クラスメイトの中に人ならざるものを見つけてしまい、事態は急展開を迎える。


大成や 深行の父・雪政らが設立に関わっているらしい この学園は、ある意図を持って生徒たちを集めていた。





前巻では、泉水子の長いおさげ髪が何かの封印らしいことが判明。

そして本書では眼鏡である。

そうか、そういうアイテムだったのか~。

もはや意味を成さなくなった眼鏡を外し、泉水子は少しずつ変わっていくのだろう。


イジイジウジウジしてて、どーにも読者受けしなさそうなヒロインではあるけれど(笑)、前巻ではここぞというところで踏ん張って、深行よりも度胸のあるところを見せたし、あの一見怖がりな性格は特殊な血筋のせいで(彼女たちの本性は逃げるものだから by雪政)、そのうち母・紫子(ゆかりこ)並みのカッコいい美人に成長すると思いたい。

その紫子さん、警視庁公安部に勤めてて、潜入捜査などでしょっちゅう名前や住所を変えて各地を渡り歩いているため、未だ会話や回想の中で名前が挙がるのみである。

それでも、点の辛そうな深行が昔一度だけ見かけた彼女を「最高にきれいな人だった」と評したことから、かなりの美人に違いないと。

いつ登場するのか、楽しみなキャラなのだった。



さて、今までは自分が「普通ではない」ことを気に病んでいた泉水子だったが、蓋を開けてみれば鳳城学園は普通でない生徒がうようよいるところで、しかもたま~に人ではないものまで混じっているもんだから、「あ、私ってここでは普通なんだ♪」と喜んでる場合でもなかった。



陰陽師に忍者に山伏に…

今や絶滅危惧種となった、神霊と接することのできる人間を保護し 育てようという世界規模のプロジェクトが動き出していた。



「山伏の知恵は、神霊がそこにいるという実感を、直接山々の霊気にふれることで得ようとするものだよ。

大地がもたらすものとの直接対話を、人間がまったくもてなくなったとき、われわれはおそらく地球環境から弾きだされる。

地球はめったなことで滅亡しないが、人類滅亡は本当にたやすいことなんだよ。

地球がその気になりさえすればね」




こういった、学園の設立に関わった者の意図と関係があるのかないのか、生徒たちの間では水面下で派閥争いが繰り広げられているし、姫神の言葉は意味深で、どういう方向に進むのか まるで見当がつかない。


そして、和宮。再登場するとは思ってなかったからびっくりした…

舞にカラスときたら、どうしても「風神秘抄」を思い出すんだけど、まさか姫神が糸世ってことはないよね?遡ってるっていうなら、違うよね?



早く3巻以降も文庫化しないだろうか。


…ところで、1巻のサブタイトル「はじめてのお使い」が「おつかい」ってそっち?!っていう捻り具合だったので、2巻もそんな感じかと思ったら 今度はそのまんまだった(笑)

「顔を彩ることはまじないに近いんだ」

そう、本来は呪術的な意味があったのだった。



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[2012/06/04 17:29] 荻原規子 | トラックバック(0) | コメント(0) | @
RDGレッドデータガール はじめてのお使い
RDGレッドデータガール  はじめてのお使い (角川文庫)RDGレッドデータガール はじめてのお使い (角川文庫)
(2011/06/23)
荻原 規子

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レッドデータブック…絶滅のおそれのある野生生物の情報をとりまとめた本で、国際自然保護連合(IUCN)が、1966年に初めて発行したもの。
IUCNから発行された初期のレッドデータブックはルーズリーフ形式のもので、もっとも危機的なランク(Endangered)に選ばれた生物の解説は、赤い用紙に印刷されていた。



しょっぱなの この用語解説から、ヒロインは絶滅危惧種に例えられるほどの稀少な能力を秘めているのだろう とは見当がつく。

それはその通りだったけど、その能力というか、彼女が「稀少」であることの理由(内容?)となると、想像の斜め上だった。


世界遺産に認定された熊野古道、玉倉山にある玉倉神社に 宮司である祖父と二人で暮らしている 鈴原泉水子(いずみこ)。

中学三年生になるまで 山頂の家と麓の中学とを往復するだけの生活。しかも交通手段が他にないため、神官の一人である野々村に 自家用車で送迎される毎日である。

腰の下まで届く長いおさげ髪と赤い縁の眼鏡という、特徴的ではあるがぱっとしない容貌に 成績もそこそこ、おまけに極度の引っ込み思案。

そんな泉水子に、父が東京の高校への進学話を持ってくるが、地元の高校への進学を希望していた泉水子は断固拒否する。

ついでに少しずつでも自分を変えていこうと前髪を切ったその日から、泉水子の周りで不思議なことが起こり始めるのだった。

授業でパソコンを使えば学校中のパソコンが壊れてしまい、その後に父の友人である相楽雪政が父の代理で泉水子を迎えに現れる。

(この時点で、実はもっと深刻かつ不思議なことが起きているのだが、泉水子たちがそのことに気付くのはもっと後。)

雪政は 泉水子と同い年の息子の深行(みゆき)を、下僕として一生 泉水子に付き従わせると言う。

そのために今通っている私立の高校をやめさせて、泉水子の通う粟谷中に転校させるというとんでもない提案に、当然、泉水子も深行も猛反発するのだが…






「玉倉山」「玉倉神社」というのは、奈良県吉野郡十津川村の「玉置山」と「玉置神社」がモデルだと思われる。

そして、泉水子が進学を希望していた「外津川高校」は「十津川高校」。

深行の通っていた「慧文学園」は「智辯学園」がモデルだろうか。


勾玉三部作や風神秘抄が好きなので、現代が舞台となるとどうかなぁ…と、あまり期待せずに読み始めたが、面白かった。

いつの間にか、日常に じわじわと非日常が侵食してくる。

それが不自然ではなく、ほんとうに「いつの間にか」なのだ。


泉水子の気持ちも、深行の気持ちも どちらもよく解る。


見目も良ければ頭の出来も良い深行が、どこからどう見ても並か 下手をすると並以下の泉水子の下僕扱いをされればカチンとくるし、泉水子に非はなくとも疎ましく思えてくる。

しかもそれが コンプレックスの対象たる自分の父親の言葉だ。

そして泉水子にしてみれば、自分の容姿も性格も 他人に言われるまでもなく承知しているし、自分が特別だなんて露ほども思っていないのに、どうして深行に そこまで言われなければいけないのか。

雪政の申し出は、泉水子には(読者にも)理解不能で はた迷惑なだけなのだった。

修学旅行先の東京で目の当たりにした不可思議な現象を経て、泉水子と深行 双方が歩み寄りを見せるまでは、二人の仲はこれ以上ないほど険悪である。



泉水子の血筋に関わる大いなる秘密と山伏との関係がなんとなく判ってきたあたりから、物語は予想もしなかったほどスケールを広げていく。

そんなグローバルな話だったとは…



姫神。神霊。泉水子の髪に封印されたもの。

舞台が現代でありながら、勾玉三部作や風神秘抄の世界に通じるものがあり、特に泉水子の舞が及ぼす力などは 風神秘抄の糸世のそれに重なる。


厄介ごとが一つ片付いたものの、まだまだ謎だらけの シリーズ1冊目。

物語がどういう方向に進んでいくのか、まるで見えないのが また嬉しい。


2冊目までは文庫化しているが、3冊目以降も早く文庫化してくれないかなー。




玉倉山の山頂の様子など読むと、十津川村の玉置山に登ってみたくなる。

内陸の奈良県にあって、玉置山の頂上からは 天気が良ければ熊野灘が遠望できるという。


母方の祖父が十津川村の出身だったので、私は勝手に十津川村に親近感を持っていたりする。

が、祖父は若い頃に和歌山に養子に来たので、残念ながら十津川にいるだろう親戚とはまるで交流がない。

和歌山に来てしばらくは多少なりとも行き来があったのかもしれないが、母の代にはすっかり疎遠になっていたらしい。

だから観光客としてしか十津川村を訪ねたことがないのだけれど、この本を読んでいると、なんだかとても懐かしい慕わしい場所に思えてくるのである。


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[2012/04/09 16:51] 荻原規子 | トラックバック(0) | コメント(2) | @
風神秘抄
風神秘抄風神秘抄
(2005/05/21)
荻原 規子

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荻原規子さんの「空色勾玉」「白鳥異伝」に出会ったのは、福武書店がベネッセコーポレーションに社名変更する前のことです。
日本の古代、神話の世界を舞台にしたファンタジーに夢中になりました。


その後ベネッセは児童書の出版からは撤退してしまい、現在は徳間書店から、上記の二作と共に「薄紅天女」を加え勾玉三部作として出ています。
この「風神秘抄」も徳間書店から。


勾玉三部作よりも更に時代を下り、舞台は平安末期。
源氏の郎党、坂東武者の家に生まれた主人公の草十郎が、平治の乱に16歳の初陣で加わるところから物語は始まります。
まるで歴史小説のような幕開けですが、そこはやっぱりファンタジー、草十郎には自身でさえ気付かない特異な能力が備わっていました。


彼の吹く笛の音は周囲のあらゆるものと共鳴し、鳥や獣を魅了します。
そればかりか、文字通り鳥の王であるカラスの「鳥彦王」と言葉を交わす力までも。


戦に敗れ、都から落ち延びる途中、まだ幼い三郎頼朝を助けるため一行からはぐれてしまう草十郎。
辛うじて生き延び、身を寄せた先で、主と慕う源義平の死を知らされ絶望するも、糸世(いとせ)という舞姫の舞に出会った時から、彼の中で何かが徐々に変わり始めるのでした。



…鳥彦王が可愛いです。
王とはいっても、長老に認めてもらうまでは正式な王になれないのだとか。
王として必要な「あること」を学ぶため、言葉の通じる草十郎のそばで修行しているのです。

少年のような話し方で、そのくせ世知に長けた鳥彦王は、人と関わることが苦手で「天の童子みたい」と言われるほど浮世離れした草十郎よりも、余程人間臭くて愛嬌があったりします。
とかく不吉なイメージを持たれがちなカラスですが、熊野の神さまの御使いは三本足の八咫烏(ヤタガラス)
この物語では熊野がとても重要な意味を持つ土地なので、鳥の王がカラスというのも納得です。


草十郎の笛と糸世の舞が重なった時、人の運命をも変える力が生じることを見抜いた上皇の思惑により物語は思わぬ方向へ…。


失われた大切なものを取り戻すため、草十郎は、上皇の追っ手を躱しつつ旅を続けることに。
そして、旅路の果てにようやく見つけたその方法は、本来なら人には許されない、神に挑むに等しいものだと知るのでした。


この後の、結末までの展開は圧巻です。
神に挑むような行いには、いったいどれほどの代償が必要なのか。
草十郎は何を失い、何を得るのか。


歴史を知らなくても充分楽しめますが、実在の人物もちらほら登場するので、歴史に詳しい人ならもっとおもしろく感じられると思います。


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[2008/12/11 12:38] 荻原規子 | トラックバック(0) | コメント(0) | @
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