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「完本 万川集海」が出るそうです!

完本 万川集海完本 万川集海
(2015/05/13)
中島篤巳

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ものすごーく嬉しかったので、8ヶ月ぶりに上がってまいりました。

タイトル通り、国書刊行会から 来月「完本 万川集海」が出るそうです!!!

忍術秘伝書「万川集海」、初の全文現代語訳です!


以前のブログ記事はこちら→現代語 万川集海 陽忍篇

             →現代語 万川集海 忍器篇 


定価6912円と かなり高価ですが、誠秀堂から全8巻で刊行予定だった「現代語 万川集海」は1冊が1000円前後だったはずなので、このくらいが適正かなぁと思います。

資料として原本の復刻も付くそうですし。

古書相場がとんでもないことになってましたしね。


国書刊行会の紹介ページはこちら→完本 万川集海

訳者の中島篤巳先生の経歴というか、肩書きが いろいろとすごい…

発売が楽しみです^^


記事のカテゴリを訳者の名前で新しく作ろうかとも思ったのですが、ややこしくなるので 以前の記事と同じ「藤林保武」に入れておきます。


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[2015/04/17 12:18] 藤林保武 | トラックバック(0) | コメント(0) | @
6月31日6時30分

6月31日6時30分6月31日6時30分
(2014/08/18)
寺村輝夫 作 安野光雅 画

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寺村輝夫と安野光雅、たった一度の夢のコラボによる児童書です。

1974年、童心社から出版され、長らく絶版だったのが、今月 復刊ドットコムから復刊しました。


小学4年生の頃だったか、私は この本で読書感想文を書いたことがあります。

なんでこの本で書こうと思ったのか、今考えてみても首を傾げてしまうほど ヘンテコなお話でした。

どう考えても読書感想文向きではないというか。

いや、どの本で書いたっていいのですが、模範的な読書感想文を目指すなら まずぜったいこの本は選ばないだろうという類の本なのです。

そのくせ、あまりにナンセンスで、言葉遊びのような応酬にあふれているため、ナンセンスなものほど喜ぶ子どもには、ものすごく好かれそうな本でした。


6月に31日はありません。

まずタイトルからしておかしくて、いざ本を開いてみれば目次の前のページに

「この本は、ごご6時30分よりまえに、よんでください。
なぜ?
そうすると、6月31日に、きっと、あなたはてがみをうけとるでしょう。
えっ?」


というメッセージが。


主人公のロコちゃんは、かぎっ子です。

「かぎっ子」って言葉、もしかして死語でしょうか?

お母さんが働いていて、6時半になるまで帰ってこないので、学校から帰るといつも自分で鍵を開けて家に入るのです。

誰もいない家に帰るのが嫌で わざと学校の規則を破って掃除当番になったり、友だちの家に遊びに行ったりと、なんとか6時半まで時間をつぶそうと考える毎日。

でも、掃除当番をやりたいばかりに規則破りをしていることがクラスメイトにばれてしまい、もう誰も先生に言いつけてくれなくなりました。

ロコちゃんと一緒に掃除をするとなかなか終わらなくて、早く帰れないからです。

友だちの家に遊びに行こうにも、ロコちゃんは6時になっても帰らないので迷惑だと言われ、その日はとうとう時間をつぶすあてがなくなってしまいました。

遠回りをして公園や本屋やスーパーマーケットに寄り道してから ワカバ団地F4号3階の314号室まで帰ってきたものの、不思議なことに秘密の場所にしまっていたはずの鍵がドアの前に落ちていて、しかもその鍵は鍵穴に入りません。


「そのかぎは、ドアを、しめるためのかぎだよ。」


その時、鍵穴から聞こえてきた変な声が、奇妙な世界につながる合図でした。

ロコちゃんのランドセルから出てきたちっぽけな黒い犬は人間の言葉を話し、「ポレ」と名乗り、「ンロンコン。」と奇妙な呪文を唱えます。

冷蔵庫からはちっぽけなライオンやチンパンジーが飛び出し、たまごが割れてインコやフクロウやワニが出てきました。

さあ、ここからはもう 現実からズレまくった、頭がこんがらがりそうな言葉遊びと屁理屈のナンセンスワールドです。


当時はとにかく「ヘンな話」と思いつつ、中毒のように何度も借りて読んだのですが、おとなになって覚えていたのはタイトルと、「閉めるためにあるドアは開かない」とか「乗るための電車からは降りられない」とかいうおかしな言葉だけでした。

その上、主人公は男の子だと記憶違いをしているし、ほんと 昔の記憶ってあてにならないなぁと。

ただ、「のるでんしゃからはおりられない」という言葉に、主人公と同じように怖くなってドキドキしたのは鮮明に覚えています。

もしかして永遠に電車の中に閉じ込められたまま出られないんじゃないかという閉塞感に、息が詰まりそうでした。


で、30年以上経った今読み返してみると、ナンセンスなお話という印象は変わらないものの、かぎっ子の悲哀がじわじわと伝わってきて ちょっとびっくり。

子どもの頃は、とにかくヘンテコな筋運びにばかり気をとられ、そればかりが強烈に印象に残ったものです。


おかげで「6月31日6時30分」というタイトルが忘れられず、娘が小学生の頃にうろ覚えの内容を話したところ、娘も読みたいと言い出しました。

学校の図書室にはなかったので、司書の先生に この本のことを話したら、わざわざ遠くの図書館から取り寄せてくださったそうです。

「先生も読んでみたい」とおっしゃったそうで。


そういえば、あの頃、本を読み終えた娘に感想を聞いた覚えがないような…

今は高校生ですが、帰ってきたら当時の感想を聞いてみましょうか。


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[2014/08/28 16:26] 寺村輝夫 | トラックバック(0) | コメント(4) | @
銀の匙
銀の匙 (角川文庫)銀の匙 (角川文庫)
(1988/05)
中 勘助

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今年の夏休み、中学生の娘が宿題の読書感想文のテーマにこの本を選んだ。

特に何を探すでもなく、二人で書店内をうろうろしていると、平積みにされた文庫本が目に留まり、その中の1冊が「銀の匙」だった。

ここ数年、どの出版社も名作の文庫本のカバーには様々な工夫を凝らしているように思う。

集英社文庫は人気漫画家のイラストだったり、角川文庫は手ぬぐい専門店とコラボした和柄だったり。

手ぬぐいや風呂敷の模様だという色とりどりの、それでいて奥ゆかしい和柄のカバーは ひときわ目を惹いた。

その中に、ずっと前から「いつか読もう」と思っていた 中勘助の「銀の匙」を見つけたものだから、娘に「読書感想文、これで書かない?」と聞いてみたのだった。

すると娘も「あ、私もこれにしようと思ってた」と言う。


なぜタイトルと作者しか知らないこの本を選んだのかといえば、昔読んだ氷室冴子さんのデビュー作「さようならアルルカン」に出てきたから。

手元に本がないので、細部が合っているかどうかは自信がないが、ヒロインがある種の憧れを抱いていた かつてのクラスメイトの図書カードを持っていて、彼女の足跡を追うようにカードに記されている本を順に借りてゆくというエピソードがあった。(と思う)

あまりに純粋で感受性が鋭いため、常に孤高の人だった彼女が、何がきっかけだったのか、いつからか道化のようになってしまう。

ヒロインは少なからずそのことに失望するのだが、周囲の評価は違っていて、彼女のことを「協調性が出てきた」だの「人当たりが良くなった」だのと言う。

その彼女が読んでいた本の中の1冊「銀の匙」が、どういうわけか 作者の名前と共に強く印象に残った。

作中では本の内容にまでは触れていなかったと記憶している。(少なくとも私には覚えがない)


以前、そのことを娘にちらっと話したことがあり、娘はそれを覚えていたらしい。

感想文を書き終えたら 私も読もうと思っていたのだが、今頃になってしまった。



読み終えて まず思ったのは、「よくこれで感想文が書けたな!」(笑)

作者の自伝的小説であり、伯母に育てられた虚弱で臆病な幼年期から 伯母の手を離れ 身体も丈夫になってきた少年期の思い出を、虚実を混ぜながら綴ったものだという。

移り変わる東京下町の歳時記でもあるような、美しい小説である。

が、しかし、漱石が東京朝日新聞社に この小説を推薦した手紙にもある通り「絵入り小説の如く変化や進行はあまり無」いのだ。

美しい日本語を味わうには良いが、中学生がこれで感想文を書くのは難しくないか?と、今更思っても 夏休みの宿題だったそれは とっくに提出済みである。

他の本を読んで新たに書き始めるには時間がなく、なんとか仕上げて提出したという。


感想文を書くためでなければ、それなりに楽しく読めただろうと思う。

銀の匙は、赤子の「私」に薬を飲ませるため 伯母が特別に探してきたもので、書斎の本箱の引き出しにしまわれた その銀の匙から作者の回想が始まる。

底抜けに人が好く、漢字は読めないが博識だった伯母に育てられた「私」は、当然ながら伯母の影響を強く受けて育った。

「仏性の伯母さんの手ひとつに育てられて獣と人間のあいだになんの差別もつけなかった私」は、既存の価値観に縛られることなく、独自の感性を育んでゆく。


友だちのお国さんの蒔絵の櫛や縮緬の薬玉の簪を見ては、自分が女に生まれなかったことを悔やみ、男はなぜ女のようにきれいにしないのかと思う。

「波の音が悲しいんです」と言って泣いては兄ににらまれ、「帰れ」と言われたりする。

日清戦争の頃、「日本人には大和魂がある」(だから負けない)と、シナ人を罵る先生に、「日本人に大和魂があればシナ人にはシナ魂があるでしょう。日本に加藤清正や北条時宗がいればシナにだって関羽や張飛がいるじゃありませんか。(後略)」と言う。


このような感性と 周囲に流されない価値観を持ち合わせた子どもであれば、当時は(今もだろうか)さぞや生き辛かったろう。

帯にも引用されている「生きもののうちでは 人間が いちばん きらいだった」という一文に、心から納得する。


「私」の思い出の中に出てくる人々は、男性よりも女性のほうがずっと印象深く、伯母さんに始まり、友だちはお国さん、お惠ちゃん、そして十七歳の夏の 友人の姉様との出逢いと別れを経て、この小説は終わっている。


生国に帰った伯母さんとの、十六歳の春の再会と別れは 不思議なほど淡々と綴られる。

老いて目もよく見えなくなった伯母さんが、愛し子をもてなそうと精一杯動き回る。

魚屋にあった鰈を洗いざらい買ってきて 煮付けにしてお皿に並べる。

寝床に入って、尽きぬ話をどうにか切り上げて、互いに寝たふりをした翌朝の別れは この上なく切ない。

門の前にしょんぼりと立って いつまでもいつまでも「私」を見送っている姿は、読んでいるこちらが 置いていくに忍びなくなってしまう。 


友人の別荘で過ごした十七歳の夏、数日を同じ屋根の下で過ごした友人の姉様の描写は、それはそれは美しい。

言葉遣いや立ち居振る舞いは上品で奥ゆかしいのに、匂い立つような色気を感じさせる。

手すら握っていない、言葉もろくに交わしていないというのに。

これは娘も感じたらしく、曰く「なんっにもしてないのに、なぜか色っぽい」と。


子どもの眼が映したもの、心が感じたものを、おとなになった当の子どもの手が その上を忠実になぞるように紡いだ、そんな小説だった。

独自の擬態語も目に楽しく、耳で聞いて美しい。

これは解説にもいくつか引用されているのだが、ここでは触れないでおく。読んでみてのお楽しみということで。


氷室冴子さんが「さようならアルルカン」の中でこの本のタイトルを出したことに、「なるほどな~」と ン十年ぶりに納得した。


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テーマ:小説 - ジャンル:本・雑誌

[2013/11/17 00:30] 中勘助 | トラックバック(0) | コメント(0) | @
現代語 万川集海 忍器篇
万川集海〈忍器篇〉―現代語訳袖珍本 (1976年)万川集海〈忍器篇〉―現代語訳袖珍本 (1976年)
(1976)
藤林 保武

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先日紹介した「万川集海」の、こちらは忍器篇。

陽忍篇の感想はこちらから。


「忍器」というと手裏剣とか撒菱を連想するが、意外なことに原本の万川集海には そういった武器の記載はない。

(しかし、この現代語訳には「現在までに伝わる忍びの武器を忍器篇に追補した」とあり、巻末に附録として「武器篇」がある。)


登器、水器、開器ときて、この本の半分以上を占めるのが火器である。

万川集海に記載のある火器類は213種、279点。


第一類  破壊用火器   91種

           さく薬   6種
           爆破薬  41種
           放火薬  33種
           発射薬  12種
           点火薬  19種


第二類  狼煙合図用火器   13種

              狼煙 9種
              花火 4種


第3類  松明用火器   106種

            篝火  17種
            松明  58種
            懐中火 28種
            ローソク 3種


第四類  薬物        3種


上記のような内訳となっている。

「卯花月夜方(うのはなづきよのほう)」「秋月方」「花の曙方」「梅花月方」などといった雅な名前のものは花火だろうか?

名前で「これは松明だな」と分かるものもあれば、名前だけではどの種の火薬なのか分からないものも多々ある。

「衣炬火方」という風雨にも消えない松明があるかと思えば、「眠薬」「不眠薬」「阿呆薬」などといった 火薬とは無関係の薬が出てきたりもする。


それらの処方が個々に詳しく記載されているが、やはり陽忍篇同様 口伝によるものもある。

材料と分量のみで、「製法は口伝である」としているものがちらほら見られた。


ところで、私の好きな漫画に「落第忍者乱太郎」というのがある。

NHK教育テレビで放映中の「忍たま乱太郎」の原作で、朝日小学生新聞に連載中のギャグ漫画なのだが、子ども向けと侮ってはいけない。

時代考証がきちんとされているのに感心していると、そこはやっぱりギャグ漫画、唐突に「アルバイト」だの「コーディネイト」だの「バレー」だのと カタカナが飛び出してコケそうになるが、忍者や水軍に関する薀蓄がてんこ盛りで、とても面白いのだ。


その「落第忍者乱太郎」の39巻、佐武虎若(紀州の雑賀衆をモデルにしたと思われる鉄砲集団・佐武衆の頭領の息子)が鉄砲を撃つシーンで用いた 「鉄砲二つ鳴りの法」が、この忍器篇に記載されている。

一丁の火縄銃で弾丸を続けて二発撃つ方法である。


陽忍篇の「蛍火の術」「やまびこの術」「天唾の術」などの術の名前や、本書の附録「武器篇」に記載されている 忍者が携帯していた耆 著(きしゃく)という方位磁石や「小しころ」という小型のこぎりなど、私は「落第忍者乱太郎」を読んで初めて知った。

その後で万川集海を読んだものだから、漫画で馴染んだ忍術が本当に記録として残っていたり、数々の忍器の現物が残っていたりすることに感動したの だけれど、それもそのはず、作者の尼子騒兵衛氏は万川集海を参考に「落第忍者乱太郎」を描いているという。

とある本で見た万川集海の写真の横に「尼子騒兵衛氏蔵」とあるのを見て、尼子先生が未刊の万川集海の現代語訳をやってくれないかなーと思ったりし た。


…話が逸れたが、次は 登器、水器、開器について。

登器… 結梯(むすびばしご)、飛梯(とびばしご)、雲梯(くもばしご)、巻梯(まきばしご)、鉤梯(かぎばしご)、高梯(たかばしご)、苦無 (くない)、探鉄、(さがしてつ)、長嚢(ながぶくろ)、打鈎(うちかぎ)、蜘蛛梯(くもばしご)、龍登(りゅうと)、三ツ鑰(みつかぎ)、大鑰 (おおかぎ)など。


水器… 浮橋(うきばし)、蒲筏(がまいかだ)、甕筏(かめいかだ)、葛筏(つづらいかだ)、水蜘蛛(みずぐも)、水搔(みずかき)、挟箱舟(は さみばこぶね)など。


開器… 問外(といかき)、刃曲(はまがり)、延鑰(のべかぎ)、入子鑰(いれこかぎ)、鋏、鑿(のみ)、錐、錏(しころ)、鎌、釘抜き、鎖子抜 き(かけがねぬき)、板橇(いたぞり)。


上記については図が豊富で寸法も記載されていて分かりやすい。


附録の武器篇には、武器だけでなく 前述の耆 著(きしゃく)のほか、小音聴き金(さおとききがね)という便利な道具や、忍び装束の図解などもあり、たいへん充実した内容の資料だと思う。

復刊、そして未刊の残り5巻の出版を願ってやまない。


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[2013/10/19 17:14] 藤林保武 | トラックバック(0) | コメント(0) | @
現代語 万川集海 陽忍篇
現代語 万川集海 陽忍篇現代語 万川集海 陽忍篇
(1981/11)
不明

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「万川集海(ばんせんしゅうかい)」とは、江戸時代、藤林保武により編纂された忍術兵法書である。

書名は「全ての川が海に集まるように忍術の諸流を集大成したもの」を意味する。

1980年前後に誠秀堂から出版された現代語 万川集海は 全8巻を予定していたものの、実際に出版されたのは 第4巻「陽忍篇」、第5巻「陰忍篇」、第7巻「忍器篇」の3巻だけだった。

しかも陰忍篇と忍器篇は早い段階で絶版となり、残る陽忍篇は 2年くらい前までは甲賀の里忍術村に在庫があったらしいが 今はなく(確認済み)、これも絶版。

たまに古本で見つけても、古書相場が高価なため、とても手が出せない。


復刊ドットコムでのリクエスト投票数が伸びを見せた5年前、スタッフが注目したのか 出版社に連絡を取り、版元にあった在庫を部数限定で復刊ドットコムのサイトで販売したことがあったらしいが、なぜか私は覚えていなかった。

復刊ドットコムには これまでもいろんな本のリクエスト投票をしていて、メルマガも読んでいるので そんなお宝本を買い逃すはずもないのに…と思ったら、5年前といえば うちの娘が長期入院していた年だった!


ひとしきり悔しがったものの、仕方がないので、望みは薄いが 手頃な価格の古本が見つかるまで気長に待とうと思っていた。

ところが、幸運にも ここ何ヶ月かの間に忍器篇と陽忍篇を立て続けに入手することができたのだった。



「陽忍」とは、姿を現したまま 敵地に合わせた変装などをして敵中に入り込むこと。


現代語訳でも意味が解らない箇所も多々あるが、これは秘伝書であるがために わざと解りにくく書かれていたり、伏字や忍び言葉があったりで、現代語に完訳できない箇所が多くあるから。

漢字を分解して すぐには読解出来ないようにしてあったりもする。

わかりやすいところでは、「久ノ一」→「くノ一」で 女、「タヂカラ」→「田力」で 男、「山人犬」→山伏 などなど。

加えて口伝も多い。

全ては記されておらず「口伝あり」と付け加えられている箇所が多々あるのだ。

そして、「孫子」や「六韜」といった中国の兵法書からの引用もあり、それらの訳文がまた解りにくい。


私では、一読してなんとなく意味が解るというくらいのレベルなのだが、それでも なかなか面白い本だった。



・身虫の術…敵に仕えている者を味方の忍びとする方法。どのような者が寝返りやすいかの分析もされている。

・蛍火の術…偽書を用いて敵方の有能な武将が裏切っていると思い込ませる方法。(「この術について隠書の書き方、文義、又、敵に咎められたる時の模様、白状する時の模様は書面に著わし難い、重々口伝がある。」とのこと。)
上記以外にも、敵地に潜入する時は、捕まった場合を想定して、常に敵を撹乱する内容の偽書を隠し持つべし とか。

・天唾術…潜入した敵の忍びにわざと偽情報を掴ませて帰す方法。
あるいは、捕らえた敵の忍びを好条件と人質で寝返らせ、味方の忍びとして使う場合もこれに当たる。

・やまびこの術…味方を裏切ったと見せかけて敵に仕え、信頼を得た末、時が来れば味方のために動く。
寝返ったことを信じさせるため、ここまでやるかというほどの大騒動を起こしてから出奔し、敵方に赴いて出仕を望むという。


上記はごくごく一部で、他にも測量技法や 堀の深さを知る方法、水の有無を知る方法、どのような場所に伏兵がいるか や、夜襲の兆しを見分ける方法などなど…

フィクションで見慣れた魔法のような忍術とは程遠い、リアルな実践兵法としての忍術がびっしり記されている。


「音もなく、臭もなく、智名もなく、勇名もなし。その功、天地造化の如し。」


これは万川集海の中の忍術問答にある一文である。


音もなく、匂いもなく、智謀を讃えられることも、武勇の誉れもない。

忍びの功績とは、人の仕業には見えず、まるで自然の成り行きでそうなったかのように見えるものだ。


まさにそういった忍びの像が浮かび上がってくる。




巻末には出版予定だった全8巻の紹介があり、それによると


第一巻 総論篇 (序・凡例・目録・忍術問答・附 新問答)

第二巻 正心篇 (正心上・正心下)

第三巻 将知篇 (一、忍宝の事 二、期約の事 三、忍者召抱の次第 四・五、不入謀の事上・下)

第四巻 陽忍篇 (上、遠入の事 中、近入の事 下、目付の事、見分の事、間見の事)

第五巻 陰忍篇 (一、城営忍上 二、城営忍下 三、家忍の事 四、開戸の事 五、忍夜討)

第六巻 天時篇 (上、遁甲日時の事 下、天文の事)

第七巻 忍器篇 (登器 水器 開器 火器  附 武器)

第八巻 別巻軍用引


となっている。

陰忍篇と未刊の残り5巻も是非読んでみたいと思う。


そんなわけで、もしも興味を持たれ、読んでみたい!と思われた方は復刊リクエスト投票にご協力ください。

このブログの右に復刊ドットコムの投票ページへのリンクを貼ってあります。


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[2013/10/05 16:59] 藤林保武 | トラックバック(0) | コメント(0) | @
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