海街diary4 帰れないふたり
海街diary 4 (flowers コミックス)海街diary 4 (flowers コミックス)
(2011/08/10)
吉田 秋生

商品詳細を見る


すずが香田家の異母姉たちと暮らし始めて二度目の秋が巡ってきた。

前巻から風太のことが気になり始めたすず。

徐々に自分の中で風太の存在が大きくなっていくことに気付く。

一方、前巻で椎名との別れを決意した長姉の幸。

椎名がアメリカに出発する日は すぐそこまで迫っていた。


サッカーチームの仲間と出かけた光明寺のお十夜で、幸と椎名の姿を見かけたすずは、風太と共に こっそり二人の後を追う。





前巻から一年半ぶり、待望の新刊!

古都・鎌倉の季節の風物と、四姉妹を中心に紡がれる人間模様が 優しく暖かく、心にじんわり沁みてくる。

内容はもちろん、毎回 表紙イラストが素晴らしい。絵の中を流れる空気まで感じられそうな気がする。


幸の後ろ姿に母を重ね、姉たちには話せなかった母のことを 風太に訥々と語ったすずは、またひとつ何かを乗り越えたように見える。


二話目の「ヒマラヤの鶴」では、三女・千佳の勤めるスポーツ用品店の店長の コミカルな外見に似合わないシリアスな登山経験が語られる。


「風太たちだって 自分たちが どうすることもできないことは わかってるんだ
 それでも じっとしていられない…それで十分なんじゃないの?」



店の壁に飾られた「ヒマラヤの鶴」と題された写真。

登頂に成功したマナスルではなく、失敗したというエベレストで撮った その写真を飾っている理由。

それを聞いた後だから、店長の言葉はまっすぐ裕也に届く。

子どもの心に寄り添うように接してくれる、けれど決して深入りしすぎない 距離の取り方が、とても心地良い。


「人の気持ちなんて そう簡単に わかるもんじゃないよなあ」

それはそうなんだけど、「また なんてなぐさめていいか わかんないって顔されるんだなって」思う裕也の気持ちも、そういう顔になってしまうチームメイトの気持ちも、多少なりとも解ってしまって、全四話の中でいちばん印象に残る話だった。



四話目の「おいしい ごはん」は、読んだ後 お腹が空く(笑)

海猫食堂のアジフライ、山猫亭のしらすトーストとジンジャーミルクティ、香田家のおばあちゃんの味 ちくわカレー、ヤスの思い出の 屋台の焼きそば。


しらすトーストは、そのうち是非試してみたい。



この巻のサブタイトル「帰れないふたり」は一話目のタイトルだけれど、それだけではなくて、「ヒマラヤの鶴」の下山できなくなったふたりとか、故郷に帰れないまま逝った すずの両親とか、そういうの全部をひっくるめたタイトルだったのかなぁと思う。


帰れなかったふたりの娘が、かつて両親が通ったであろうカフェで 両親の思い出のメニューに出会う。


「お父さんたちは ここへきたかも知れないし こなかったかもしれない
でももう それは わかんなくても いいかなって

あたし ここが好き
お店のふんい気も おじさんも」



すずは、いろんな人との出会いや出来事を通して、心の底に溜め込んでいたものを ひとつひとつ消化していく。

そのまっすぐな成長ぶりが眩しく、そして羨ましくもある。


…ところで、アライさんが出てくるのを楽しみにしてたんだけど、また名前だけだった(笑)

次の巻こそは登場するだろうか?

再来年か。長いなー。


ブログランキングに参加しています。お気に召しましたらぽちっとお願いいたします。
くつろぐブログランキング参加中。お気に召しましたらぽちっとお願いいたします。
にほんブログ村ランキング参加中。お気に召しましたらぽちっとお願いいたします。
スポンサーサイト

テーマ:漫画の感想 - ジャンル:本・雑誌

[2011/08/23 17:06] 吉田秋生 | トラックバック(1) | コメント(2) | @
海街diary3 陽のあたる坂道
海街diary / 3 / 陽のあたる坂道 (flowers コミックス)海街diary / 3 / 陽のあたる坂道 (flowers コミックス)
(2010/02/10)
吉田 秋生

商品詳細を見る


父が亡くなり、すずが鎌倉で香田家の三人の異母姉たちと暮らし始めて一年。
父の一周忌法要のために山形に向かった四姉妹だが、そこで意外な事実を知らされる。
すずの継母だった陽子には結婚を前提に付き合っている人がいて、もう既に一緒に暮らしているのだという。
そういう事情だから施主は出来ないと陽子の叔父夫婦に謝られ、あっさり施主を引き受ける幸。
一方、すずは、父が死んで一年も経たないうちに他の男と暮らし始めた陽子にも、それを怒らない幸にも怒りが収まらない。


「どうして怒ってくんなかったの!?
陽子さんひどいって!
なんで言ってくんないの!?」




父を看取った、まだ中学生のすずと、父のいない時間のほうが長い姉たちとでは、当然ながら反応に温度差がある。
まあ、陽子本人がいないところで、叔父夫婦にどうこう言っても仕方ないわけだから、まっとうな大人は幸みたいな対応をするんだろうなぁ。
でも、すずにそれを求めるのは酷だと思う。
それでなくても、父の入院中からお葬式まで、陽子に言ってやりたいことが山ほどあっただろうから、トドメとばかりのこの出来事にブチ切れても無理はない。


陽子さんみたいな人、現実にもいるよね…。
そういう人になりたいとは間違っても思わないけど、なんのしがらみもなくって生きるのラクそうでいいよね~と時々思う。
大人になると、いくら面倒でも避けて通れないことは必ずある。
だけど、そういう面倒事は他人に押し付けてシレッとしてるし、子どもよりも自分の幸せや男が優先。
ほんと、ラクそうだわ~(笑)


すずもそう思っていただろうけれど、姉の千佳や義理の弟だった和樹の言葉にハッとして、自分を客観的に振り返るあたり、この子、私と違ってまっすぐだ(笑)


「嫌い」は「好き」よりずっと早く伝わってしまうのかもしれない



ああ、きっとそうだね。

昔、母に言われたことを思い出す。

「あなたが嫌いだと思ったら、その人もきっとあなたのことを嫌ってる」

だからむやみに人を嫌うものじゃない。その人の良いところを見つけなさいと言いたかったのだろうけれど、これがなかなか難しい。
その人を理解しようと努力するより、ただ嫌うほうがずっと楽なのだ。
見ようとしないから、良いところが見えない。
自分の見たいものだけ見ていたほうが楽だから、いつまで経っても見えない。




すずが所属するサッカーチームのエースで、病気で右足の膝から下が義足になった裕也。
リハビリの甲斐あって、またプレーできるようになった裕也だが、やはり以前と同じようにはいかない。
すずを含め、チームメイトのほとんどがそのことにショックを受ける中、風太だけは「やっぱあいつスゴイよ」と言う。
早々に右足に見切りをつけて、左足だけでプレーしていたのだと。

それを聞いたすずは、「みんな裕也のダメなとこばっか目がいってた」と、まさに目からウロコ。
そのことに気付いた風太を「すごい」と絶賛する。


これは、嬉しい。
裕也がまだ諦めていないってわかったことも、風太がそういうところをちゃんと見てる子だったってことも。



幸の職場の後輩、ダメナースだと思っていたアライさんの意外な一面を見た幸もまた、今まで見えなかったものが見えてくる。
いろいろと抜けたところのあるアライさんが、患者の安全に関わるようなミスは決してしないということ。



ひとつの出来事がきっかけで、その人を見る目が変わることって、たまにある。
「ああ、こういう人なんだ」と思ってあらためてよく見ると、次々と新発見があって、すずが言う、真昼の月を見た時みたいに、なんだか得した気分になる。



「情緒豊かな」っていうのは、きっとこういう作品を言うんだなぁ…。
鎌倉の古い美しい町並みも、移ろう季節も、読む度に肌で感じられるような気がする。
そんな中、香田家の姉妹を中心に、そこで暮らす人々の人間模様がきめ細やかに描かれる。


「BANANA FISH」や「夜叉」みたいなハードボイルドが十八番かと思えば、こんな味わい深い家族ドラマまで…!
印象が違いすぎて驚くものの、やっぱり根っこは同じなんだと納得もする。


大好きだったけど、毎回綱渡りの気分で、読んでて非常に心臓に悪かった「BANANA FISH」と違い、「海街」はコーヒー片手にのんびり落ち着いて読めるのが嬉しい。

この巻では予感だけだった幸とすずの(佳乃も?)新しい恋の行方は、また一年後のお楽しみ。


ブログランキングに参加しています。お気に召しましたらぽちっとお願いいたします。
くつろぐブログランキング参加中。お気に召しましたらぽちっとお願いいたします。
にほんブログ村ランキング参加中。お気に召しましたらぽちっとお願いいたします。

テーマ:マンガ - ジャンル:本・雑誌

[2010/02/24 12:20] 吉田秋生 | トラックバック(1) | コメント(4) | @
| ホーム |

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

お世話になってます

【ほんぶろ】~本ブログのリンク集

RSSフィード

BlogPeople

フリーエリア

楽天市場のおすすめ商品

フリーエリア

おすすめお小遣いサイト


おすすめアンケートサイト

メールで送られてくるアンケートに答えてポイントGET! 貯まったポイントは換金できます。 マクロミルは事前アンケートがたくさん届くので、1~2ヶ月で500円貯まりました。

マクロミルへ登録

アフィリエイト

PageRanker