エンジェル エンジェル エンジェル
エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)
(2004/02)
梨木 香歩

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キーワードは「天使」



ほぼ寝たきり状態のおばあちゃんの、夜中のトイレの付き添いを引き受けたコウコ。
そのご褒美に、念願だった熱帯魚を飼うことを許されます。



その熱帯魚がやって来た日を境に、不思議なことが。
深夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは少女のような様子でコウコに話しかけるようになるのでした。
どうやら水槽のモーター音が、おばあちゃんの心の奥に眠る何かを呼び覚ましたらしいのですが…。



この小説はちょっと変わった造りになっていて、コウコの一人称で語られる章と、少女の頃のおばあちゃんの一人称で語られる章が交互に続いてゆきます。
時間軸も違っているので、最初のうちは、ふたつの話がどこでどう関わってくるのか見当もつきません。
途中から徐々に話が見えてきて、最後まで読んで、やっと納得。



さわちゃん(おばあちゃんのことです)の章は、なんと旧仮名遣いに旧字体の漢字を使うという徹底ぶりです。
中原淳一が挿絵を描いていそうな、少女小説の趣なのです。

たとえばこんな感じ↓

「ええ、是非是非。ごいつしよしませうねえ、ばばちやま、約束。」


…なんというか、こう、昔の良家の奥様やお嬢様の言葉遣いは、あまりにも優雅すぎて、ただの日常会話なのに現実離れして聞こえます(笑)
さわちゃんの章は、全文がこの調子。

梨木さんは、どうしてこんな文章が書けるんでしょうね。
あと、「シュー・クリイム」のレシピとか。このシュー皮、油で揚げて作るんですよ!

さわちゃんの学校はカトリック系のミッション・スクールらしくて、修道院のシスターにお料理を習うシーンがあるのですが、これがものすごくリアルです。
実際にその場にいた人が書いたみたいに。



そしてこの小説には、まるで何かを暗示するかのように、そこかしこに「天使」が出てきます。

中でも「大鷲の翼をもつ木彫りの天使」というのが象徴的。
もともとの木目のせいで、「どうかすると蝙蝠じみてさえ見える」というのですから、尚更です。
まるで悪魔の翼を持つ天使みたいではありませんか。


さわちゃんがコウコの家に引き取られたのも、コウコが熱帯魚を飼うことになったのも、きっと必然だったんだなぁ…。
最後の最後に、懺悔のように、コウコに向かって「ごめんね」を繰り返すさわちゃんに、そう思いました。


最後まで読んで「ああ、そうだったのか」と納得する気持ちと、難しい宿題を出されたような気持ちと、半々です。


「神様が、そう言ってくれたら、どんなにいいだろう」
「私が、悪かったねえって。おまえたちを、こんなふうに創ってしまってって」




さわちゃん、私もそう思います。


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[2009/01/21 17:24] 梨木香歩 | トラックバック(0) | コメント(4) | @
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