ゴールディーのお人形
ゴールディーのお人形ゴールディーのお人形
(2003/10)
M.B. ゴフスタイン

商品詳細を見る


ゴールディー・ローゼンツヴァイクは両親が亡くなってから、その家にたったひとりで住んでいました。
そしてお父さんのしていたように、小さな木の人形を彫り、お母さんのしていたように、そのお人形に絵の具で、きれいな洋服とかわいらしい顔を描く仕事をつづけていました。




ゴールディーは、人形を作る時、四角く切られた木っ端ではなく 森で拾い集めた木の枝を使います。
それは、彼女のこだわりというよりは、信念みたいなもの。人形作りという仕事への姿勢の表れでもあります。


きれいに四角くなっている木を使うと「生きているような気がしない」のだそうです。
友だちのオームスに「生きてるって言ったって、ただの人形なんだけどなあ」と言われても、ゴールディーの姿勢は変わりません。


ゴールディーにとっても、ちいさな女の子たちにとっても、「ただの人形」ではないのです。



ゴールディーの仕事ぶりが、それはそれは丁寧に細やかに描写されています。

ひとつひとつに心をこめて、丁寧に。

ゴールディーは、やがてお人形を手にするまだ見ぬ誰かのことを思いながら、手に持った時にあたたかく心地よく感じるようにと、細部まで妥協のない仕事をするのでした。

彼女がどんなにこの仕事が好きで、誇りを持っているか、自分の作る人形たちをどんなに愛しているか。

そういうことがひしひしと伝わってくる製作過程の中でも、最後に、まるで命を吹き込むかのように人形の眼に何度も何度も笑いかけ、自分の笑顔をうつすように人形の顔を描き上げる というところがいちばん好きです。


ゴールディー・ローゼンツヴァイク人形は大人気で、いつもお店に出すとすぐに売れてしまい、作っても作っても注文に追いつかないほど。

けれど、当然ながら量産はできないので、ゴールディーの暮らしぶりは極めて質素なものです。

それでも、彼女は とても満ち足りていて幸せそうなのでした。



ある日、ゴールディーは、お気に入りのお店で、素晴らしく美しい中国製のランプに出会います。

とっても高価なもので、ゴールディーのお人形27個分ものお値段!

お人形の納品先でもあるそのお店の主人ミスター・ソロモンは、ゴールディーには特別に3分の1値引きしてくれると言いますが、それでもお人形18個分。

ゴールディーが3ヶ月かかって作り上げる数です。



「安くしてもらわないで、全額払えばよかった。
だって、これは私が生まれてから今までに見た、いちばん美しいものなんだもの。」



ミスター・ソロモンの厚意で、3ヶ月後ではなく その日のうちにランプを家に持って帰れることになったゴールディーは、帰る途中でオームスの家に立ち寄った時にそう言うのですが、オームスにはとても理解できません。

オームスが何の悪気もなく言った一言で、嬉しい気持ちはすっかりしぼんでしまい、家に帰り着いた頃にはむしろ憂鬱で、寂しくてたまらなくなっていたのですが…



余程裕福な人でない限り、少しでも安く買えれば嬉しいのはあたりまえ。
でも、「全額払えばよかった」というゴールディーの気持ち、わかるような気がします。

自分も「ものを作る」仕事をしていて、その仕事に誇りを持っている人だからこそ、ランプに描かれた緻密で美しい絵や丁寧なつくりを見て、価格に見合う価値を認めたのだと思うのです。
そして、提示された額をそのまま支払うということは、作り手への敬意の表れでもあったのでしょう。
それはそのまま、自分の仕事への誇りにも繋がります。


オームスは大工ですから、やはり「ものを作る」人なのですが、そしてゴールディーいわく「ハンサムでやさしくて」いい友達なのですが…
彼の仕事への姿勢がどうこうということではなく、単にゴールディーとは価値観が違ったんだなぁと思います。


オームスの一言で、高い買い物を後悔したゴールディーは、自分の仕事や信念にさえ自信を失くしかけたのかもしれません。


そんな彼女に、もう一度「ものを作る」ことへの自信と誇りを取り戻させた素敵な出会いとは?



…ゴールディーもまた、見知らぬ作り手にとって「やがて作品を手にするまだ見ぬ誰か」だったということ。




絵本といってもコンパクトサイズで、テキストだけのページもあって漢字もふつうに使われていて、むしろ大人のための絵本という印象です。

もの作りをしている人はもちろん、日々信念を持って働く全ての人に向けたメッセージ。
そしてまた、この絵本は その信念が揺らぎそうになった時の、心のビタミン剤。


「私はここで、会ったことのない友だちのために、小さな木の人形を作るの。」


作業台の前の椅子に腰掛けて、こちらを振り向いてそう言ったゴールディーの笑顔が素敵。



最後の作者紹介のページに、写真と共に作者のインタビュー記事の抜粋が載っています。
その、更に抜粋。


「私が本の中で表現したいと思っていることは、自分が信じるすばらしい何かを作り出すために黙々と働く人の美しさと尊さです。」


私もそういう仕事がしたいなぁ…。

ガンバレ、私!


※Amazonには在庫がないらしく、マーケットプレイスに定価より高い値段で何冊か出品されていますが、他のオンラインショップをざっと見てみたところ、まだまだ在庫のあるお店もあります。
多分、ふつうの本屋さんでも、注文すれば まだ版元から取り寄せが出来ると思いますので、早まって高いものを買わないで下さいね~。(7月31日追記)



ブログランキングに参加しています。お気に召しましたらぽちっとお願いいたします。
くつろぐブログランキング参加中。お気に召しましたらぽちっとお願いいたします。
にほんブログ村ランキング参加中。お気に召しましたらぽちっとお願いいたします。
スポンサーサイト

テーマ:絵本 - ジャンル:本・雑誌

[2010/07/30 22:39] M.B.ゴフスタイン | トラックバック(0) | コメント(6) | @
| ホーム | 次のページ>>

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

お世話になってます

【ほんぶろ】~本ブログのリンク集

RSSフィード

BlogPeople

フリーエリア

楽天市場のおすすめ商品

フリーエリア

おすすめお小遣いサイト


おすすめアンケートサイト

メールで送られてくるアンケートに答えてポイントGET! 貯まったポイントは換金できます。 マクロミルは事前アンケートがたくさん届くので、1~2ヶ月で500円貯まりました。

マクロミルへ登録

アフィリエイト

PageRanker