スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[--/--/-- --:--] スポンサー広告 | @
夜の童話
夜の童話 (POPLARコミックス)夜の童話 (POPLARコミックス)
(2001/05)
紺野 キタ

商品詳細を見る

きみは
一篇の詩
一篇の物語




リンクさせていただいている「天青石空間」の未森奏さんが、先日の記事の中でちらっと書かれていたこの本に心惹かれ、早速購入しました。
7編の、優しいおとぎ話のような漫画が収録されています。


読み進むうちに、ふと、子どもの頃大切にしていた宝ものを思い出しました。
それは、大事にしすぎて、今はもうどこに収ったか忘れているもの。
例えば、雨上がりの砂利道で見つけた水晶。浜辺で見つけたビーチグラス。先生が作ってくれたどんぐりの指輪。
捨てたのでも、失くしたのでもなく、今もまだ実家のどこかに眠っているはずのそれらを。

自分の中に確かに在るのに、取り出し方を忘れてしまった透明で綺麗なものがあふれてくるような。
ああ、こんなものが、私の中にもまだ残ってたんだと思い出させてくれるような、そんなお話でした。


その中の1編「眼鏡売りの男」は、小川未明の童話「つきよとめがね」を髣髴とさせるお話です。
「眼鏡売りの男」と「蝶」というキーワードが共通するだけで、もちろん全く違うお話なのですが、雰囲気がかの童話に似ているのです。

あたたかな春の月夜に眼鏡を売り歩く黒眼鏡の男。
たまご色の灯がともる家々。(煌々としたネオンや蛍光灯の灯りではなく、ランプやガス燈のやわらかな灯です。)
時にはその家の窓越しに眼鏡を商ったりするあたり、やはり作者は「つきよとめがね」から構想を得られたのでしょうか。


どのお話も好きですが、いちばん印象に残ったのは、わずか6ページの「あかりさき」でした。
明り先(あかりさき)とは、「光がさしてくる方、または、光のさす明るい場所」を言うそうですが、このお話の場合は前者。
神さまから、一番星にあかりを灯す役目を授かった女の子のお話です。


「これで わたしの お父さんと お母さんを てらしてくれる?」


迷いのない澄んだ瞳でそう言った少女の、その言葉の意味が、最後のページで読み手に示されます。

「愛しい」と書いて、「かなしい」とも読みますが、「愛しさ」は「哀しさ」にも通じるからでしょうか。
読み終えた時、この少女に覚えるのは、切ないほどの愛しさです。



描き下ろしの「あかりさき」以外は、全て同人誌で発表された作品ばかりという異色の単行本です。
出会うことができて、ほんとうによかった!



私信:未森さん、この本のことを教えてくださって、どうもありがとうございました。
ちなみに、今この本は、娘の本棚に納まっています。
読んでいる途中で「おかあさん、私にこの本ちょうだい!」と言い出し、読み終えた途端そそくさと自分の本棚に収ってしまいました。


★追記(4月11日)
最初に読んだ時、「わたし 『あかりさき』なの」という少女の言葉から、「光がさしてくる方」と解釈したのですが、今は、もう片方の意味も内包してのこのタイトルなのでは…と思っています。

少女が照らすその先にある場所や人をも指しているのではないかと。

…日本語って不思議ですね。
ひとつの言葉が、まるで逆方向にあるふたつのものを同時に表現することもあるのですから。

少女にとっては、照らすその先にあるもの。
その光を浴びたものにとっては、光の源である少女。


ブログランキングに参加しています。お気に召しましたらぽちっとお願いいたします。
くつろぐブログランキング参加中。お気に召しましたらぽちっとお願いいたします。
にほんブログ村ランキング参加中。お気に召しましたらぽちっとお願いいたします。
スポンサーサイト

テーマ:マンガ - ジャンル:本・雑誌

[2009/04/08 17:15] 紺野キタ | トラックバック(1) | コメント(4) | @
<<おすそわけ | ホーム | 「鋼の錬金術師」アニメ第1話>>
コメント
----
何かいいですね。ホント読みたくなりました。
絵本は以外と云ったら本当に失礼ですが、強いつよい力を持っていますね。
最近また読み返している処です。

では、また。
[2009/04/08 17:48] URL | 光隆 #- [ 編集 ]
--光隆さま--
やわらかなタッチの可愛らしい絵柄の漫画ですが、それだけではない何かが、この作品にはあると思います。
やさしいだけのおとぎ話ではないところが好きです。
もしも機会がありましたら、ぜひお手にとってみてください^^
[2009/04/09 11:20] URL | asagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
--ご紹介、ありがとうございます(*_ _)--
本人です(笑)。

レビューとして、ご紹介下さってありがとうございます。
紺野さんの本は、出版社がコミックとしては
ちょっとマイナーなところで、これまでに発行されているので
多分、知っている方が少ないとは思いますが
嬉しかったです。


「眼鏡売りの男」が、小川未明さんの作品に
似た雰囲気を持っていらしてる、との点は
気が付きませんでした。

(昔、小川未明さんの童話集が実家にあったので
もしかしたら、そのお話も入っていたかもですが
覚えてないせいもあって、判らなかったみたいです;。)

そういえば、紺野さんの他の本を読んでいて
思ったのですが、たまに何かの本から構想を得た
雰囲気がある様に感じる時があります。

おそらく、これまでにたくさん読んでいらしているのでは
無いかと思いますが、特にこの本はそんな感じが
強いかもしれません。


「あかりさき」に、ついてですが。。。

私の場合、読み終えた時に表題の本当の意味、と
いうのを考えてしまいまして、特に深いものを持った
物語に仕上がっているなと、感じました。

また追記でも、お書きになっていらしてますが
私も、どちらの意味を持っている、と感じました。
(なので、私がUPした該当の記事は、実は
そういった意味で書いています。)

あと、私的にはブログでも書きましたが
あの星は、女の子の優しさのかけらで灯された
1つの灯りなのかな、とも思ってます。


余談ですが。

実は、同人誌での作品がほとんど、という本が
もう一冊あります。
同じポプラ社から、コミックとして発行されている
「Cotton」がその本です。
その他、時々同人誌で発表されたお話が
時々、別のコミックにも入っていたりされてますよ。

同人誌での作品が、一般本に収められる例は
そんなに無いとは思いますが、おそらく
紺野さんの持つ良さを、高く評価している方が
いらしてるのでしょうね(^-^)。
[2009/04/12 07:06] URL | 未森 奏 #- [ 編集 ]
--未森奏さま--
未森さん、こんにちは♪
ご丁寧にありがとうございます!

作家さんや漫画家さんは、本や映画はもちろん、いろんなものからインスピレーションを得て、それが作品の栄養になっているのでしょうね。

「あかりさき」の女の子は、きっと両親だけでなく、いろんな人やものに惜しみなく愛情を注げる子どもなのだと思います。
そういう子どもだから、「あかりさき」の役目を授かったのだと。

一番星に灯されたあかりは、あの子の優しさのかけら。
ほんとにそうですね(^^)

ほかの本についても、教えてくださってありがとうございます。
これからまた、読む楽しみが増えます(^^)
[2009/04/13 10:49] URL | asagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL
http://yukigahuru.blog113.fc2.com/tb.php/117-2a224459
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
夜の童話
「君は一篇の詩 一篇の物語 私のために書かれた夜の童話」 長年連れ添った妻に先立たれたおじいさん。猫とふたり、静かに暮らしていた。最近見る夢。少年時代の面影もない、長年住み慣れた町の、故郷の景色なのか。やわらかくあたたかなその風景の中には、亡くなった妻...
[2009/11/23 18:49] ◆小耳書房◆
| ホーム |

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

お世話になってます

【ほんぶろ】~本ブログのリンク集

RSSフィード

BlogPeople

フリーエリア

楽天市場のおすすめ商品

フリーエリア

おすすめお小遣いサイト


おすすめアンケートサイト

メールで送られてくるアンケートに答えてポイントGET! 貯まったポイントは換金できます。 マクロミルは事前アンケートがたくさん届くので、1~2ヶ月で500円貯まりました。

マクロミルへ登録

アフィリエイト

PageRanker

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。