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バウンダーズ“この世で最も邪悪なゲーム”
バウンダーズ―この世で最も邪悪なゲームバウンダーズ―この世で最も邪悪なゲーム
(2004/11)
ダイアナ・ウィン ジョーンズ

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イギリスで生まれた少年ジェイミーは、弟と妹と暮らす普通の少年だった。
「古い要塞」と呼ばれる場所で、不可解なゲームをする“あいつら”に捕らえられ、ゲームの世界に放り投げられてしまうまでは……。
鉱山の世界、大神殿の世界、戦場の世界、けだものたちの世界など、ひとつの世界から次の世界へとさまようジェイミーの旅がはじまった。
この邪悪なゲームのルールは何か?もとの世界に、自分の家に帰ることはできるのか?
ゲームに翻弄されつつも、彼は故郷を失った奇妙な生命体ヘレンと、悪魔ハンター・ヨリスに出会い、同盟を結ぶ。
この「バウンダーズ」は、必死でチャンスをつかみ、帰途を見いだす反撃の計画を立てるのだった。
(帯より)


…まず、この帯に文句を言いたい(笑)
“あいつら”は、この世界を使ってゲームをしているのであって、ジェイミーは「ゲームの世界に放り投げられた」わけではない。
もともと、全ての人間がゲームの駒なのだ。
ジェイミーは、“あいつら”の姿を見てしまったため、「ランダム要素」としてディスカードされた(捨てられた)のである。
「ランダム要素」とは、思いも寄らない動きをする駒のことだろうか…?


あと、「奇妙な生命体ヘレン」というのは、あんまりだと思う。
ヘレンは、少々(かなり?)変わった右手を持っているだけの、人間の女の子だ。
彼女は、思い通りにその形状を変化させられる「ウクアラの手」を持っている。

「悪魔ハンター」と聞くと、西部劇なんかに出てくるならず者っぽい賞金稼ぎを連想してしまうけれど、ヨリスは見た目も中身も良家の子息のような少年で、驚いたことに奴隷でもある。
ただし、主のコンスタムからは奴隷のような扱いは受けておらず、主を心から崇拝している。


ヘレンもヨリスも、ジェイミー同様、“あいつら”の姿を見てしまったためにディスカードされた。

ゲームは、この世界ばかりでなく、増殖し続ける全てのパラレルワールドを使って行われている。
それぞれ別々の世界を故郷に持つ、ディスカードされたランダム要素である彼らは「バウンダーズ」(故郷に向かう者)と呼ばれ、自分の故郷以外のあらゆる世界をさまよい続けることとなる。

ちょっとだけネタバレありなので、以下、たたみます。
…私はゲームの類はいっさいやらないので、ディスカードとかランダム要素とかターンとか言われてもピンときませんが、面白いです。

ジェイミーが“あいつら”に告げられたルールは、

「『境界』を好きなように歩きまわってもらってかまわないが、どこの世界であれ、おまえがプレイに加わることはルール違反だ。
このルールを守ってもらうために、おまえがいるフィールドで1ターンが完了すると、おまえはそのつどプレイの別のフィールドに移されることになっている。
それから、おまえにできるならの話だが、『故郷』に帰ることも許されている。
ルールにはそう明記されている。
『故郷』に帰ることに成功したら、通常の方法でプレイに参加してもよろしい。」



この場合の「通常の方法でプレイに参加」というのは、「以前と同じように元の世界で暮らせる」という意味です。
私はてっきり、“あいつら”と同等の立場でゲームをプレイできるという意味かと思ったんですけどね…。


たったひとりで100もの世界をさまよった末、ジェイミーはあらゆる世界の言語を覚え、また、告げられていなかったルールがあることも発見します。
そして、ほかの「故郷に向かう者」たちが残した目印も。(←これがかなり役に立ってくれる!)


ヘレンやヨリスと共に、ルールを逆手にとって、いかに“あいつら”を出し抜くかを考え始めるジェイミー。


伝説の「さまよえるオランダ人」や「さまよえるユダヤ人」が、実は「故郷に向かう者」だったというのが面白い。
ギリシア神話のプロメテウスも出てきます。
人間に火を与えたためにゼウスの怒りに触れて、山頂に鎖で繋がれ、生きたまま肝臓をハゲワシに啄ばまれるという、ぞっとするような責め苦を負っているプロメテウスが、そのままの姿で!
このお話の中では、人間に火を与えたという理由で繋がれているわけではありませんが、ある意味、似たようなものかも…。


ダイアナさんの小説はどれも先の展開が読めず、「えーっ!」というような方向に進むものが多いのですが、これは珍しく、アダムの世界に来た辺りでなんとなくわかってしまいました。
と言っても、結末はやっぱり予想外。


プロメテウスがキーだと悟ったジェイミーが反撃に出てからの展開は速いです。
まさかバウンダーズ(故郷に向かう者)こそが、このゲームの世界を維持するのに不可欠な存在だったとは!


ハッピーエンドとは呼べない、哀愁漂う結末だけど、それもジェイミーの選んだこと。
そこに至るまでの経緯を考えれば当然かもしれないけど、少年の外見とは裏腹に、達観してしまっているジェイミーが哀しくもあります。


結局、“あいつら”って一体何だったんでしょうね…?
コンスタムは「悪魔」と呼び、プロメテウスも同じようなことを言っていたけれど、私にはエンデの「モモ」に出てくる時間泥棒のイメージでした。
結果を見れば、時間泥棒よりもっとタチが悪いですけどね。


…ところで、話の流れとは全く関係ない疑問がひとつ。
コンスタム、なんで縮んだの?
ヨリスも驚いていたところを見ると、身長10フィートは嘘じゃなかったと思うんだけど。


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[2009/07/31 14:42] ダイアナ・ウィン・ジョーンズ | トラックバック(0) | コメント(2) | @
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コメント
--和訳のセンス?--
こんばんは。
好きだったら申し訳ないんですが、宮部みゆき氏の書くような、陳腐な感じがしました。
読み手のターゲットをどう絞っているのかわからない本って感じで、戸惑ったのを覚えています。
洋書って和訳のセンスってものもかなり影響する気がします。
世界観としてはとても面白そうなんだけど、その太字を見るとやっぱりひいちゃいますねぇ。
面白そうとは思うのだけど。。。
[2009/08/01 00:22] URL | さくら #- [ 編集 ]
--さくらさんへ--
あははは^^
さくらさん、手厳しいな~。
私、この本好きそうに見えませんでした?(笑)
あ、宮部みゆきさんのことなら、好きなのとダメなの両方あります。
時代小説の「初ものがたり」とか「幻色江戸ごよみ」とかは好き^^

>読み手のターゲットをどう絞っているのかわからない

…これは私もそう思いました。
記事を書く時、ジャンルをどうしようか迷いましたもん(^^;
児童書にしては難しすぎるかなと思って、小説にしたんですよ。
でも、ダイアナさんの本はたいていそうですよね。
ターゲットを限定してない気がします。

>和訳のセンス

う~ん。翻訳は、双方の言語に精通していて、且つ言葉のセンスも必要ですよね~。
でも、自分が原書で読めないんだから、訳してくれてありがとう!と思って読むことにしてます^^
微妙なニュアンスを伝えるのは、難しいんだろうなぁ…。
[2009/08/01 16:45] URL | asagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
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