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Cotton
Cotton (POPLARコミックス)Cotton (POPLARコミックス)
(2003/10)
紺野 キタ

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あのころの
つくろうことのない苛立ち
まっすぐな怒りは
どこに
いっちゃったんだろう




恋人と別れたばかりのOL 奈月と、繊細すぎる感性に翻弄され誰とも打ち解けられない高校生 理子の、これは、友情というより恋にも似た、魂のふれあいの物語。


雨の中、交差点で信号待ちをしていた理子に自分の傘を押し付けて走り去った見ず知らずの女性は、なぜか泣いていた…。

その女性 奈月は、姉の結婚式でいつかの高校生に再会し、彼女が姉の結婚相手の妹だと知る。

「家の中に他人の物があるのって気持ち悪いから」と、奈月の家まで傘を返しに来た理子は、なぜかそれ以降、奈月につきまとうようになる。

理子の行動に戸惑いを覚えつつも、警戒心の強い猫に懐かれたような心境で、徐々に絆されていく奈月。

ところが、ある日、姉が理子の両親から奈月あてに預かってきた「お礼」のせいで、理子を怒らせてしまう。



まるで抜き身の刃物のような感性を持った理子は、さぞかし生き難かろうと思う。
でも、理子ほどではないにしても、誰もが多かれ少なかれそういう部分を持っているもの。
ただ理子と違うのは、自分のいちばん弱いところを無防備に曝したりしないし、自分が傷つかずに済む術を知っていて、もっと器用に立ち回る。


思春期の女の子が こんなに難しいものだったなんて

私も この年になるまでに そういう季節を
確かに 通りすぎてきたはずなのに

どうして 忘れてしまうんでしょうね



…とは、理子の母親が奈月に言った言葉だけれど、
ほんとにね。どうして忘れてしまうんだろう?

母親よりはずっと理子に近い年齢の奈月でさえ、理子に出会って初めて「私も昔はそんな表情をしていたのだろうか」と、懐かしくてせつない気持ちになるのだから、私の歳では尚更 仕方ないことかもしれないけれど。



理子の奈月への執着は、まるで「ライナスの毛布」のようだと思う。
子どもが、おとなになる途中のどこかで必ず手離すそれと同じように、理子にとっての奈月の存在も、いつか「ライナスの毛布」から「対等な友人」へと変わるのだろうか?

描き下ろしの後日談を読む限り、少々心配ではある(笑)



それにしても、「スキ」だの「キライ」だのって泣きながらの大ゲンカ、子どもの頃でさえした覚えがないよ…。
この本を読んでいる途中、そのことがとても残念で、もったいないことに思えた。



「夜の童話」と同じ、この本も描き下ろし以外は全て初出が同人誌。
表題作以外では、「生物Ⅰ」という短編がいちばん好き。
いじめられっ子の少年の言葉に、青木景子さんの「恋人へ」という詩を思い出した。


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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:本・雑誌

[2009/11/12 16:30] 紺野キタ | トラックバック(1) | コメント(2) | @
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コメント
--紺野キタさん!--
こんばんは。
「つづきはまた明日」ですんごく好きだなぁと思いました。
メルヘンというか、ふわふわした雰囲気で。
現実との境もない空想の世界もうっとりで。

こないだ「夜の童話」を見つけて積読です。
ちょっとずつ集めたい作家さんです。

泣きながらの大ゲンカはしましたけど、それでも
子供のころもっと体験できることがあったのかなぁと
自分を振り返るとちょっぴり寂しく感じるところも
味があっていいですよね。
[2009/11/15 01:04] URL | さくら #- [ 編集 ]
--さくらさんへ--
こんばんは。
さくらさんも紺野キタさんお好きでしたか!
嬉しいなぁ^^
私はまだ「夜の童話」と「Cotton」しか読んだことないのですが。
そうなんです、私も、手持ちの本を整理しつつちょっとずつ集めたいなぁと思って。

>子供のころもっと体験できることがあったのかなぁと

ほんとにね~(^^;
なんだか私は、大事なイベントをことごとくスルーしてしまったようで悔しいです。
それを思い出させてくれる稀有な作品でした。
[2009/11/15 18:40] URL | asagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
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傘を持たない女子高生。信号待ちの間だけでもと傘を傾けるが、お礼もいわずただむっとした顔をするだけ。なぜか涙が出てしまった奈月。 その女子高生は姉の嫁いだ先の妹だった。家族の中では扱いズラいとされている彼女はなぜか、結婚式場で再会してから、奈月を訪ねてく...
[2010/07/19 23:18] ◆小耳書房◆
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