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いたいけな瞳 3
いたいけな瞳 3 (ぶーけコミックスワイド版)いたいけな瞳 3 (ぶーけコミックスワイド版)
(1992/03)
吉野 朔実

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・第9話 「Give Me Shelter」

「本日未明 米国のオハイオ級原潜”マーメイド” が 母港バンゴールで何者かに核ジャックされ そのまま出港しました」

「同艦には トライデントC4ミサイル24基
1基には8発 合計192発の核弾頭が積まれています」


世界192都市をターゲットにした無差別テロ。

突然こんな臨時ニュースが流れてきたら、人々はいったいどうするのか?


縁側で爪を切っていた老人。特に何の反応も示さず、テレビを観ながら饅頭を食べ始める。

一方、ゲイのカップルだか、ただの同居人だか不明の男二人。血相を変えて荷造りを始める。

これ以上ないほど深刻な事態にも関わらず、荷物のチョイスも二人の会話もコミカルで、緊迫感がない(でも本人たちは必死)。

そのうち、冷静になってきた片方は「地下36階建ての核シェルターは一応新築だよな」などと嬉しそうに言い始める。
バイト先の八百屋で脱税用の二重帳簿を見付けてしまい、口止めに夕張メロンを手渡された裁判官志望の彼は、ついさっきまでそのことでグダグダ悩んでいたのだった。
優柔不断な彼のほうが荷造りが早い上、荷物もコンパクトなのが面白い。


「夕張メロンも 八百屋も 帳ボも なにもかも
消えてなくなると思うと ちょっと気持ちいいな」



いやその前に、逃げ遅れたら自分も消えてなくなるから。
というか、シェルターに入れてもほんとに助かるのかどうか。


夢オチでは片付けられない、捻った展開と結末。
P.5の、おじいさんの家のテレビ画面に注目。


「世にも奇妙な物語」に出てきそうな話だった。
話と話の繋ぎ目にタモリが話す場面で流れる、あのBGMがぴったり。




・第10話 「ささやかな不幸」

俺は なくしても困らないものしか 手に取らない
大事なものをなくすと 泣くからだ
いつもでもいつまでも 泣くからだ



失くすのが怖いあまり、いつもいちばん大切なものを選べない新郎 寿(ことぶき)。

…だからって、何も妻になる人まで どうでもいい女を選ばなくても。

でも、この場合、新婦の珠子もかなりどうしようもない…というか、いっそ寿よりタチが悪いので、ある意味お互いさまである。

寿の従妹の福子。友人の米太郎(こめたろう)。
珠子の親友 妻子(つまこ)と、その夫 清(きよら)。

いい加減なんだか皮肉でつけたんだかよくわからないネーミングの人々が、披露宴で繰り広げる悲喜劇。

間違いなくホテルの伝説になると思われるめちゃめちゃな顛末である。

が、寿にとってはハッピーエンド。

珠子の今後の身の振り方が気になるところだけど、どう転んでも自業自得だよねぇ…


最後のシープ夫妻の「オモシロかったわね」「うん また誘われたいね」がよかった。

私も是非こんな披露宴に招ばれてみたい(笑)




・第11話 「ローズ・フレークス」

―ジョセフ・コートの一家が皆殺しにされたのは 7日の早朝
すべての死体には 首がなかった
物陰に隠れて 見落とされた子供以外は―



…どこぞで実際に起こった猟奇殺人事件かと思ったが、違った。

吉野朔実さんの作品には、時折ドキリとするようなフレーズがさらっと使われるので心臓に悪い。


愛澤 愛(あいざわ いつみ)、高校1年生。
歳の離れた姉が半年前に高校の数学教師と結婚したばかり。
姉の恩師でもある京条先生に、愛もまた数学を教わっている。

姉のことは好きだし、先生が嫌いなわけでもない。
でも、二人が一緒にいるところは見たくない。


新婚夫婦といっしょに ごはんを食べるなんて ぞっとする


…あー、これは解る。
居心地が悪いし、潔癖な年頃なので、いろいろ思うところもある。

クラスメイトの仁藤に、姉と先生のことでからかわれて真剣に怒ったのも、たぶん図星だったから。


花に色があるのは
鳥や虫に識別能力があるからだ
花自身に何の意味があるだろう

花は虫を 誘っているのだ
好むと好まざるとにかかわらず



少女の潔癖さも、度を超すと自分の美貌さえ疎ましく思えてくるものらしい。

犠牲になったジョセフ・コートは哀れだけど、奇跡の生存者は健やかに成長しつつある。



・第12話 「本物の贋物」

「ECCENTRICS」に登場した鹿島医師がここにも!
 
「ECCENTRICS」では明らかにされなかった鹿島先生の事情や「うさぎ男」の意外な正体もわかって、ちょっとすっきり。

描かれたのは「ECCENTRICS」よりも前だけど、時系列がどうなっているのかは不明。
ラスト近くの鹿島先生の行動からは、なんとなく「ECCENTRICS」より後のような気がする。


亡き父は画家で、自身は天才的な模写の才能を持つ磯崎鯛子。
何かと世話になっている叔父に頼まれ、名画の模写などしながらのんびり暮らしている。

ある日、8つ年下の浪人生の弟 龍太郎が「妊娠してるような気がする」と言い出し、あせった鯛子は龍太郎を連れて、以前テレビで見たことのある盲目のカウンセラー鹿島医師のもとへ。


…鯛子は、悪意とか嫉妬といったマイナスの感情を母親のおなかの中に置き忘れて生まれてきたのかというくらい善良で、こういう人は幸せな人生を送れるんだろうなぁと思う。


「あなたは 生まれ直したいと思ったことがありませんか?」


という質問に、「いいえ」と答えられる鯛子にストレスは皆無。
対して龍太郎は、お腹の中にストレスを抱えているのだと鹿島先生は言う。


「もう一度 自分を 産み直したいと 思っているのです」


この言葉、「ECCENTRICS 」の謎解きのヒントにもなりそうな気がする。

読んでいるうちに、おおよその察しがついてしまう展開だったけど、鯛子の人柄が好ましく、結末は爽やか。


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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:本・雑誌

[2010/07/09 17:04] 吉野朔実 | トラックバック(0) | コメント(2) | @
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コメント
--ず~っと--
下から読み続けてきましただ~
ものすご~く面白そう
やっぱり彼女の書く漫画ってチョット世界が違うのが良く解っただ
見ている世界が違い
感じる世界も違う
もしや…生きている世界も違うんじゃないだろうか?(笑)
そんなお話しが沢山載っているのだの~
ちょっと不思議でちょっと怖い世界だけど…触れてみたいっと思いました~

んっ?これはasagiどんのレビューが巧かったからか???
読んでいてワクワクしたもん(笑)
[2010/07/09 17:22] URL | 満天 #- [ 編集 ]
--満天さんへ--
続きはどうなるの?!とドキドキワクワクさせてくれる長編もすごいけど、こういう何が出てくるのかわからないビックリ箱みたいな短編集もすごいなぁと思います。
よくこれだけのネタが捻り出せるもんだと感心してしまう^^

>生きている世界も違うんじゃないだろうか?

あ~、私もそう思います。
なんかね、一般人とは感覚がちょっとズレてるというか、たいていの人は見向きもしないような物とか、見ようとしないものに目が行くひとなんじゃないかなぁと(笑)

どの巻のどのお話から読んでもOKなところがまた良いです^^

満天さんに褒めてもらうと嬉しいな~(*^^*)
[2010/07/10 17:23] URL | asagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
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