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いたいけな瞳 6
いたいけな瞳 6 (ぶーけコミックスワイド版)いたいけな瞳 6 (ぶーけコミックスワイド版)
(1993/02)
吉野 朔実

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・第21話 「嘘をつかずに男を騙す方法について」

5巻の第17話「いつも心にスキップを」に登場したスキップが主役のお話。

同じく5巻の第19話「犬」に登場した伊吹さんも。

スキップは大学の事務員。

伊吹さんはその大学の助教授。


5巻の「5人の男と同時に付き合ってる」という話は、冗談だと思ったらホントだった。

バースデープレゼントに、5人の男から同じ指輪を買ってもらい、そのうち4つは質草に。

質屋の主人が、5つのうちのひとつは偽物だというので、その偽物を指にはめてデートに向かう。


スキップも変わってるけど、伊吹先生もかなり変…。

伊吹先生は5人のうちの1人で、彼だけはスキップが複数の男と付き合ってることを承知している。
その上で、リクエスト通りの指輪をプレゼントして、5つのうちの1つが偽物だったと聞けば、おもしろがって「偽物を贈ったのは誰か?」なんて考え始める。


…なんというか、今更だけど、吉野朔実さんの漫画は難しい。

キャラクターが、個性的というにはあまりにもぶっ飛んでて、凡人には理解し難いというか。

並みの女なら真っ青になるような、それも自業自得の修羅場で、スキップは心の底から嬉しそうに微笑ってみせる。


彼は(中略) 浮気したらやっぱり私を殺すと思うの
相手じゃなく 私だけを
まっすぐに 殺しに来るわ
だから 約束したの
もう 他の誰からも 指輪もらったりしないって



そんなふうに、嬉しそうに話す。
どれが偽物でもよかったのだと言う。


全体を通してスキップの瞳が印象的だった。
他のキャラと違って、スキップの瞳だけはスクリーントーンが使われている。
色素の薄い、ガラス玉を思わせるような、それでいて生き生きとした、人を惹きつけてやまない瞳である。



・第22話 「花の眠る庭」

母が亡くなって一年。
貴洋(たかひろ)の家に、引き取られてきた 母のいちばん末の妹、綺蓉(きよう)。

叔母といっても、貴洋とは5つ、兄の尊樹(ひろき)とは2つしか違わない 17歳の高校生。

母 志麻路(しおじ)だけをモデルに描き続けた画家である父は、母の妹たちの中で母にいちばんよく似た綺蓉を モデルにと望んだのだった。


ある日突然、綺麗な姉が出来たようなもので、貴洋は綺蓉を慕うが、尊樹は反発する。

子どものような父と、暴君のような兄。

水飛沫が綺麗過ぎて泣いてしまうような 繊細で感性豊かな貴洋は、兄には理解されず、また理解されたいとも思っていない。

父は、「志麻路の妹」にしか興味がない。

綺蓉だけが、貴洋の気持ちに寄り添うように「貴洋が好きよ」と言ってくれる。


僕なら 死んだりしないのにな
誰にも 許されなくたって 平気なのに



泣き虫だった貴洋は、いつしか泣かなくなり、自分が恋をしていたことに気付いてはじめて、二度と戻らぬ人のために涙する。


…綺蓉は優しくて品のある美人なのに、儚げというには背負った影が重過ぎて、どうにも幸せになれそうな気がしない。

影というより、業か?

あの、行き止まりのような、何かが澱んでしまった家で、彼女は一生を終えるのだろうか?

救いがないとは言わないが、誰も幸せではない。

なのに、詩情あふれる美しい作品にしてしまう吉野マジック。




・第23話 「ライオンタンポポ」

「ECCENTRICS」に登場した天と劫かと思ったが、彼らそのものではなく、彼らの原型なのかもしれない。

名前が出てこないので、その辺りははっきりしないが、こちらの二人も自我の境界がない特殊な双子である。

「ECCENTRICS」で、天が記憶喪失の千寿を拾って帰ったように、こちらでも片方が咲衣子(さいこ)という女の子を拾って帰る。

ただし咲衣子は記憶喪失ではなく、ゴミ捨て場でビニールシートを被って、雨に打たれながらうずくまって寝ていたのだった。

千寿と同じように、咲衣子にも二人の見分けがつかず、同じような事態に陥る。


「混乱を愛してくれる女はめったにいない」


覚えのある台詞も出てくるし、「ECCENTRICS」という作品自体、この短編をベースに描かれたのではないかと思う。

「ECCENTRICS」は、双子だけでなく他の要素も複雑に絡み合って、更に難しい話になっているけれども。


私はまるで 合せ鏡の間に 立っているよう


このお話は、双子が 咲衣子も読者も混乱させたまま終わるが、双子の問題に決着を付けようとすると「ECCENTRICS」みたいな話になるのか。

互いの自我の境界がないのも当の双子だけの話なら勝手にしてくれと思うが、彼らに深く関わる第三者にとっては迷惑だよなぁ(笑)




・第24話 「百合の吐息」

伊万里とのゆり。

同じ大学の学生で、現在一緒に暮らしている。

21話で登場した伊吹先生がこのお話にも。

彼がいかにモテまくってるかに終始するような内容だったが、皮肉にもいちばん好きだった人は友達に取られたという話を聞いて「僕元気が出てきました」と喜ぶ伊万里が素直で可愛い。

のゆりは伊吹先生のことが好きらしい。

ならなぜ、伊万里を選んだのか?その理由を知れば、のゆりの気持ちも解らなくはないような。

いやでも、それはやっぱりダメだろー。


考えるな 考えるな
走れば 間に合う
そう思って 走れ



走った先に、 彼女がいるといいね。


ところで、「時計の中に虫がいる」というのは何の暗示だったんだろう?

吉野作品には、何を意味するのか解らない、でも読み流せない、喉の奥に引っかかる魚の小骨みたいなエピソードがしばしば出てきて、それが取れないまま本を閉じるのが悔しかったりする(笑)


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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:本・雑誌

[2010/09/17 16:22] 吉野朔実 | トラックバック(0) | コメント(0) | @
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