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乙嫁語り
乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)
(2009/10/15)
森 薫

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「エマ」の作者 森薫さんによる19世紀中央アジアの 嫁マンガ(←作者あとがきより)


「エマ」は英国ビクトリア朝時代の メイドと貴族の青年とのロマンスを描いたもので、こちらはアニメをちらっと観ただけ。

原作を読もうとまでは思わなかった。

その作者が、今度は とんと馴染みのない土地を舞台に漫画を描いているというのを知ったのは、去年のこと。

すこぶる興味を惹かれ、読みたい読みたいとずーっと思ってて、先日やっとこさ買って読んだ。



カスピ海沿岸で、ロシアと国境を接しているというと、現在のカザフスタンかアゼルバイジャン辺り?

いや、中央アジアというならアゼルバイジャンは違うか。

この辺、19世紀頃はロシア領になってたりするから、正確にはわからないけど、現在のカザフスタン、トルクメニスタン辺りではないかと推測する。



物語は、山を越えて遠くの村からやって来たアミルが、エイホン家に嫁ぐところから。

新婦アミルは20歳。新郎カルルクは12歳。

年齢だけ聞くと、どっちも気の毒だなーと思わずにはいられない。

現時点では当然アミルのほうが身体が大きいし、一見 姉と弟のようなふたりである。

ところが、この、夫婦と呼ぶにはあまりに初々しいふたりの 微妙な距離感が、実に良い。

いろいろな出来事を経て、その距離を縮めていく様子もまた微笑ましい。




アミルの実家ハルガル家は、夏だけ移動し 冬は決まった冬営地で暮らす移牧タイプの遊牧民。

対して、嫁ぎ先のエイホン家は、何代か前に遊牧を止め、定住を選んだ人々。

根っこは同じでも、生活様式の違いは、自ずと あらゆる意識の違いを生む。


「他人の家の話に首を突っ込むのか ここの連中は」
という言葉に顕著なように、ハルガル家の一族は あくまで「家」単位の考え方をするし、娘は家畜と同等 親の財産並みの扱いである。


一方、エイホン家の属する町では、井戸やパン焼き竈を共有し、そういった公共の場での情報交換も盛んで、住人たちはコミュニティーの一員としての意識が高い。

エイホン家の人々は、嫁いできたばかりのアミルを大切な家族として厚遇し、実家の暴挙からも護ろうとする。
そして、町の人々も進んでそれに協力してくれる。




馴染みのない土地が舞台なので、何もかもが目新しく、興味深いが、何といっても見どころは 恐ろしいほどに描き込まれた民族衣装に装身具、柱や扉の彫刻である。

この作品を読んだ多くの人が、作者の腱鞘炎を心配するというが、なるほど。

…まー、細かい細かい。


先祖代々、その家の女たちから女たちへと伝えられてきた何種類もの刺繍の柄。

脈々と引き継がれていくそれらに、新しく創作されたものも加わり、柄は代を重ねるごとに増えていく。

刺繍の柄とともに、それを考案した女性の人となりも伝えられていく。


2巻第十話の「布支度」、私の大好きなエピソードである。


エイホン家の居候である英国人の研究者スミス氏は、こう記す。


ふんだんに刺繍の施された布は 時に 貨幣以上の価値を持つ

作り手の社会的地位と帰属を表し
その人となりを物語る

特別な一枚は 特に念入りに仕上げられ
受け継がれる その家独自の文様には
気が遠くなるほどの時間と手間と そして 想いと祈りが 込められている

とはいえ その姿には 気負ったところは見られない
談笑しながら針を刺し 仕事の合間に 糸をつむぐ

そうするのが当たり前で ごく日常の風景であり 
つまりは生活である




次の巻からは一旦視点を変え、スミス氏の道中が描かれるという。

アミルが主人公かと思っていたが、どうやら彼女だけではなく、多くの乙嫁たちの物語ということらしい。

「乙嫁」とは、古語で「若いお嫁さん」「美しいお嫁さん」という意味だと あとがきにある。

この先展開する多くの乙嫁たちの物語が、やがてはどこかで交差し、思いもよらない文様を描くのかもしれない。

作者がどのような物語を織り上げてくれるのか、1年に1冊の単行本を 今後も楽しみに待ちたいと思う。

ちなみに、第3巻は今月15日発売。



仲良くしていただいているブロともの満天さんのブログで絶賛されていたので、これはぜひ読まなければ!と思ったのだった。

満天さんの記事はこちらから→小人達が笑う部屋「乙嫁語り 1.2巻」

筆が立つ上、ユーモアに溢れ、作品への愛情がひしひし伝わってくるので、むしろ満天さんの記事を参考にしていただいたほうが…



乙嫁語り 2巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)乙嫁語り 2巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
(2010/06/15)
森 薫

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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:本・雑誌

[2011/06/08 16:18] 森薫 | トラックバック(0) | コメント(4) | @
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コメント
----
記事、楽しく拝見いたしました。
第二話扉絵や第十話の刺繍は描き込みがすごくてもはや漫画と呼んでいいのかとさえ思いましたよ(笑)。
新刊を今か今かと待ちわびていましたが、来週出るとのことなので心踊るようです。
でも読んでしまったらまた一年待たないといけないんですね・・・。
お互い頑張って待ちましょう!(←頑張るのは森先生ですが・・・)
ではでは。



[2011/06/11 20:14] URL | 通りすがり #- [ 編集 ]
--通りすがりさんへ--
はじめまして。
コメントありがとうございます!

あのハンパない描き込み方を見るともう、この漫画確実にお値段以上の価値があるって思いますね~
ぱぱっと読んでページをめくるなんて、勿体なくてとてもできません(笑)

1年に1冊か2冊しか出ない漫画、ほかにもいくつか追いかけているのですが、そういうのがいくつかあると、わりと短い周期で楽しみがやってきます^^

1年に1冊でもいいから、クォリティーを落とすことなく完結まで描き続けていただきたいですね^^
[2011/06/12 16:37] URL | asagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
--いや~--
つ・ついに明日新刊が出るのですね!
おととい本屋へ行ったので、次回は一ヶ月後に行く予定だったもんで
ここで情報を頂いたのはとてもありがたい!

一年ぶりなので、ここで復習した感じで楽しく読めました(笑)
そうだそうだ。そういうお話じゃったっと思ったぞよ~
正直もっと早くに出して欲しいけれど…あの絵じゃの~
急がせれば森さんの体に負担がかかりそうだし
ジックリ描いてくれたほうが絶対に面白いし…

アミルの真っ直ぐで純粋な生き方が好き
私の忘れていた何かを思いださせてくれるから(笑)
いつまでもこの純粋さを忘れないでいられるような生活が続けば良いな
そんな風に思ってしまう

エマの時も最後まで貫く強さのある主人公を森さんは好きなようだから
きっと大丈夫だよなっとも思うが
カルルクよ。早く大きくなれ~
[2011/06/14 11:22] URL | 満天 #- [ 編集 ]
--満天さんへ--
アミルは可愛いですよね~^^
獲った兎を掲げてカルルクに笑いかけるとこ、「やられた~!」と思いました。
弓の腕前といい何でもさばける器用さといい、惚れ惚れしてしまう。
あんな美人で 弓も裁縫も得意な子が なんで嫁き遅れたのか、ものすごーく不思議です(笑)

>カルルクよ。早く大きくなれ~

きっとスミスさんが次に立ち寄る頃には、カルルクはアミルの身長追い越してて、子どもの一人や二人いるんじゃないかな~と勝手に想像してるんだけど…
1年に1冊だと尚更、今度はいつ会えるかな~って感じですね。

それにしても、あの絵柄、好きで描いてるには違いないんだろうけど…作者の体調が心配になります。
必ず完結させて!と祈らずにいられない(笑)
[2011/06/14 17:45] URL | asagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
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