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愛蔵版 蛍火の杜へ
愛蔵版 蛍火の杜へ (花とゆめCOMICSスペシャル)愛蔵版 蛍火の杜へ (花とゆめCOMICSスペシャル)
(2011/09/05)
緑川ゆき

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「何があっても 絶対 私に 触らないでね」


この言葉が、最強の告白だなんて、誰が思うだろう?(ただし本人に自覚なし)




六歳の夏、祖父の家へ遊びに来ていた蛍は、妖怪たちの住まうという山神の森で迷子になった。

疲れ果てて動けなくなった蛍の前に現れたのは 狐の面を被った不思議な少年で、彼は人間に触れられると消えてしまうのだと言う。

だから手は繋げない。彼は、手に持った木の枝の端を蛍に握らせ、森の外まで連れ出してくれたのだった。

その日から 蛍は、「ギン」と名乗るその少年に会うために 森に通い続ける。

そうして 夏が終われば、次の夏を心待ちにするようになる。


やがて、ちいさかった蛍は中学生になり、高校生になり…

それでも 蛍のギンを想う気持ちは変わらず、むしろ次第に その想いは強くなっていく。

ギンの蛍への想いも また。





どうして こんなにも哀しい、こんなにも幸せな物語を描けるのだろう?

ふたりがいちばん怖れていることと、いちばん望んでいることが 同じだなんて。



山神の森の妖怪たちがまた、ギンをとても大切に思っていて、それが心をあたたかくする。

彼らはたびたび蛍に言うのだ。

「人の子 ギンの肌に 触れてくれるなよ」


蛍は、ギンが「他の妖怪たちに慕われている」と言うけれど、慕われているというよりも、「護られている」に近いような。

妖怪でも人でもない、自分たちより弱くて儚い美しい者を 慈しんでいるのだろうと思う。

人が、幼子や鳥の雛や動物の仔を見ると 無条件に優しい気持ちになるように。

彼らにとってギンは、いつ消えてしまうかわからない 目を離せない、庇護すべき者。

そして、愛すべき仲間だった。



高校生になった蛍に 「忘れてしまって いいんだよ」と、ギンは言う。

「忘れないでね 私のこと  忘れないで」と、蛍は言う。



年を重ねるごとに成長する蛍と、出逢った頃と ほとんど変わらないギン。

遠からず 蛍は、ギンの歳を追い越してしまうだろう。

時間が いつかふたりを分かつことを、ふたりともが知っている。



ふたりが最も怖れ、最も望んだ その瞬間、ギンは きっと笑っているに違いないと思った。

蛍は 笑おうとして失敗して、泣き笑いの顔になってるんじゃないかと。


ところがどうだろう。面を外した蛍は、何の陰りもない、少しはにかんだような とびっきりの笑顔なのだ。


けれど、読者は ふたりのようには笑えない。

「切ない」なんて ありきたりの言葉ではとても足りない、この物語の結末を どう表現したらいいのだろう?


「さぁ いこう  いきましょう」


そんな読者を叱咤するかのような 蛍の言葉に、背筋がすっと伸びるような気がする。



絵が達者なわけでは決してない。

けれど、それを補って余りあるものが この作品にはある。


あっ、惜しい!と思ったのは、クライマックスの手前、後ろから走ってきたはずの子どもに、蛍が振り向いて手を振るところ。

しかも、ギンの左手と布で繋いであるはずの右手を。

このコマだけは修正して欲しかったかも(笑)



本書は、映画化に合わせて出版された愛蔵版。

表題作のほか、「体温のかけら」「星も見えない」の二作と、描き下ろしの「蛍火の杜へ 特別編」を収録。

ギンの視点で描かれた 描き下ろし短編が また良い!

健気で優しい妖怪たちは、やはり「夏目友人帳」に通じるものがある。



緑川ゆきさんの漫画を読むと、少女漫画にエロは要らんと ほんっとに思う。

そんなのなくても、互いを思う 痛いほどまっすぐな気持ちが ひしひしと伝わってくる。


映画、観に行きたいけど…

上映館少な過ぎっ!

いや まあ、大阪はあるだけましか。


映画公式サイトはコチラ→「蛍火の杜へ」映画公式サイト




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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:本・雑誌

[2011/09/12 16:09] 緑川ゆき | トラックバック(0) | コメント(2) | @
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コメント
--No title--
はじめまして
きみやすと申します。

>「何があっても 絶対 私に 触らないでね」
>この言葉が、最強の告白だなんて、誰が思うだろう?
(ただし本人に自覚なし)

この文章で、思わずPCの前で何度も頷いてしまいました。
そう、そうなんですよね・・・。

本人に自覚がないところも
作為がないところが余計に純粋さを感じさせて
良いですよね。

>「さぁ いこう  いきましょう」
>そんな読者を叱咤するかのような 蛍の言葉に、背筋がすっと伸びるような気がする。

ここも、本当に納得です。
自分が上手く言葉にできないものを
言葉にしてもらった感じがして
とても、気持ちが良かったです。

いきなりの長文コメント申し訳ありませんでした。
また、寄らせて頂きます。

それでは。

[2011/10/23 16:17] URL | きみやす #- [ 編集 ]
--きみやすさんへ--
はじめまして。
コメントありがとうございます!
嬉しかったです^^

「あかく咲く声」のヒロインもそうですが、蛍の 一本筋が通ったような凛としたところが良いですよね。
見た目はそこそこだし、何か特殊能力を持っているわけでもないふつうの女の子なのに、いざとなると ほんとに強い。

「さぁ いこう いきましょう」には、心底参りました。
蛍が狐の面を外す あのシーンまでは、こんなにも強い子だと思っていなかったので。

出会えてよかったと思える、とても大切な作品です。

拙い感想を最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!
[2011/10/23 22:50] URL | asagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
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