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すいーん星旅行記
すいーん星旅行記 (1980年)

漫画家・大島弓子さんによる、1980年8月31日発行の絵本です。

ひとりの少女の ちょっとスリリングな夏休み旅行記。

表紙の雰囲気から、SFっぽい内容を想像していたのだけれど、表紙をめくればカバーの袖は千代紙のような和柄の模様に、見返しと扉はベージュのシワシワっとした和紙のような紙。

文章の書かれた左のページの端にもカバー袖と同じ模様が印刷されていて、もう この本の造りだけで きゅんきゅんします(笑)


サブタイトルは、GREEN TRIP IN SUMMER



夏休み。初めての一人旅で、少女は おじいちゃんとおばあちゃんの家へ。

汽車の中で見る夢は、宇宙遊泳。

緑色したりんごのような星へと向かいます。

そこは おかあさんが生まれた星で、おかあさんは その星を"すぃーん星"と呼んでいます。



「すいいんとは、緑の木陰のことよ」

おかあさんはいいました。




…ああ。なるほど、「翠陰」かぁ。



緑の星の夜は真っ暗で、宇宙がよーく見えて、トイレは最新式で(!)、肉体を持たない声だけの異星人「ザシキワラシ」という生物がいたりします。



なんだろう。この懐かしさ。


子どもの頃の あの長~い夏休みよ、再び!


せっかくお休みなのに、なんで学校行くより早起きしないといけないの?と内心ぶうぶう文句を言いつつラジオ体操に通い、ハンコを押してもらう。


宿題の絵のために、友だちと写生に行く。


スイカ食べて、かき氷食べて、川で遊んで、たまにおなかを壊したり。


家の庭先でささやかな花火をして、見上げた夜空には満天の星。


肝試しの順番待ちは、お寺に続く坂の下。流れ星がたくさん見えた。


そして、お盆を過ぎたあたりからは毎日がサザエさん症候群。



緑の星の住人だった私の夏休みは、遠くのおばあちゃんの家へ遊びに行くでもなく、家族旅行をするでもなく、たいていは家から半径5㎞以内で過ぎてゆきました。



そんな中で、たったひとつ、今でも何だったのかよくわからない出来事が。


中学生の頃、家で昼寝をしていた時、目が覚める直前だったのか、寝入り端だったのか、隣の部屋で話している両親の声が ふすま越しにはっきり聞こえていました。

後で内容を尋ねられたら ちゃんと答えられるくらいには鮮明でした。

その時、二階から誰かが下りてくる足音がして、トントントンという その軽い音とともに 鈴の音が。

弟は出かけていて、二階には誰もいないはずなのに。

そのうちに鈴の音は 私の近くまでやってきて、私の周りをぐるぐる回るのですが、隣の部屋で話している両親は ちっともその音に気付かないようなのです。

そのうち鈴の音はどこかへ行ってしまい、間もなく私は目を開けましたが、もちろん誰もいませんでした。

変だなとは思いましたが、すこしも怖くはなく、ちいさな子どもが鈴を手に走り回っているようなあの音の正体を 確かめられなかったのが残念でした。

鈴の音が聞こえていた時、目を開けられなかったのか、それとも薄目を開けて見ても誰もいなかったのか、もうよく思い出せません。


あれが「ザシキワラシ」だったのなら、会ってみたかったなぁと思います。



脱線しましたが、そんな昔々の夏休みの欠片が、ぶわっと溢れてくるような絵本でした。


巻末には「私の夏休み」と題した大島弓子さんのあとがきが。

すいーん星旅行記


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テーマ:絵本 - ジャンル:本・雑誌

[2012/08/01 16:36] 大島弓子 | トラックバック(0) | コメント(6) | @
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コメント
--読みたくなりました!けれど・・・--
県内縦断検索しても蔵書している施設はなかったです。
アマゾンで検索したら、4500円もするし…

ダメもとで、図書館にリクエストしたら
日本各地の図書館から探してくれるでしょうか???
やってみます!
[2012/08/10 21:41] URL | こうまさん #O7xVy9HA [ 編集 ]
--こうまさんへ--
興味を持っていただけて嬉しいです^^

絵本と言っても、漫画家の画集に近い扱いなんでしょうね~
でも、大島弓子さんの絵は絵本に似合います。

どこかの図書館にあるといいのですが…
[2012/08/12 14:26] URL | asagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
--大島さんは--
大・大・大好きで、彼女の本は殆ど全部読んでいるっと思っていたのですが…これは知らんかった(笑)

asagiどんの夏休みの思い出がとても素敵。
そうだったよね。小学生の頃の夏休みって緑の惑星にどっぷり浸かっていた(笑)
私、劇団を作っていた頃があって、その劇団名が「座敷童」本当は童子でわらしと読む所を童だけにしたのが問題で
「ざしきどう」さんですか?っと良く聞かれました
座敷童子と出会うと幸せになれるっと言い伝えがあるけれど、それは接近遭遇だけでも効力があるらしいよん。私も会いたかったな~。
[2012/08/24 11:52] URL | 満天 #- [ 編集 ]
--司書さんに脱帽!--
探してくださいました!
あんまり遠くからだと、郵送費とか金額がかかってしまうらしく、
予算も厳しいのだしそこまでしなくても構いませんとお伝えしましたが、
ついに見つけてくださいました。
隣のそのまた隣の県の魚津市のそれも書庫にあったようです!
読めてよかったです~。

「最新式トイレ」は、大島さんは予言していたってこと?
と思ったら一瞬後に「ああ、あのトイレのことね!」と合点。

素敵な絵本でした~。
出会わせてくださったasagiさんに感謝v-343
ただ、手近にないのが残念です。


[2012/08/25 10:39] URL | こうまさん #O7xVy9HA [ 編集 ]
--満天さんへ--
絵本ですもんね~
ファンでも、「こんな本出てたんだ!」って感じですよね(笑)

大島さんの作品は、私もかなりたくさん読んだのですが、あのふわふわとした絵柄に反してドキッとするような内容に「え~っっっ!?」となることもしばしば…
いや、そこがすごいんですけど。
綿菓子の割り箸近くに鷹の爪が仕込まれてたみたいな衝撃でしたわ~

でも、この絵本は表紙と中身のミスマッチが素敵な、毒はないけどお子さま向きでもない、大島さんらしい一冊でした(笑)

「座敷童」って、素敵なネーミングですね~^^
間違えられるのは困るけど、「座敷童子」とするより、3文字のこちらのほうが座りが良い気がします。

ザシキワラシ、満天さんなら気付かないうちに遭遇してそうな気がする(笑)
私も、今度は音だけじゃなく会ってみたいと思いますが、大島さんによると「声だけの異星人」らしいので、姿は見えないのかも。
[2012/08/25 23:23] URL | asagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
--こうまさんへ--
すごいですね!

よその図書館から取り寄せもできるとは聞いていましたが、県外でもOKなんて!

そしてこの本が図書館にあったのも驚きです。
素敵な絵本ではありますが、ファンのコレクターズアイテム的な扱いで、図書館では購入しないんじゃないかという気がしましたので。

利用者の方が寄贈したのでなければ、図書館の蔵書としては意外です。

探し出してくださった司書さん、ほんとにすごい!
[2012/08/25 23:33] URL | asagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
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