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魔女が遺してくれたもの―梨木香歩「西の魔女が死んだ」
西の魔女が死んだ (新潮文庫)西の魔女が死んだ (新潮文庫)
(2001/07)
梨木 香歩

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最初にタイトルを見たとき、「オズの魔法使い」に登場する、善き魔女グリンダを連想しましたが、グリンダは南の魔女でした^_^;
このお話の西の魔女は、主人公の少女まいのおばあちゃんのこと。
おとぎ話の魔女のように呪文を唱えて魔法を使ったりはしませんが、古来から受け継がれてきた豊かな知恵と、ちょっと特殊な能力を持った、たいへん魅力的なひとです。
(ただし、この特殊な力というのは、物語の中では表立って出てきません。最後の最後に、「ああ!」と思いますが。)


中学生になって間もなく不登校になってしまったまいは、しばらくの間、このおばあちゃんの家で暮らすことになります。
これは、季節が初夏へと移り変わるひと月余りの、まいとおばあちゃんの物語。そして、その二年後に果たされる、二人の約束のお話。


魔女になりたいと言うまいに、おばあちゃんが課した魔女修行とは、「まず、早寝早起き。食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をする」
そして、何事も自分で決める力、決めたことはやり遂げる力を養うこと。


おばあちゃんはイギリス人で、日本語が母国語ではないから却ってそうなるのか、孫のまいに対してもずいぶんかっちりとした話し方をします。
「おばあちゃんと孫」と聞いて連想するイメージとはかなり違う二人の会話が、なんともユニークです。


野菜やハーブを育て、鶏を飼い、野いちごでジャムを作り、洗濯を終えたシーツはラベンダーの茂みに広げて乾かす。
おばあちゃんの暮らしぶりは、昔ながらの知恵を生かした、シンプルで無駄のないカントリーライフ。



そんなおばあちゃんと暮らしたひと月余りの日々は、まいにとってかけがえのないものになりました。
でも、ある出来事がきっかけで、まいは、心にわだかまりを残したまま、おばあちゃんの家を去ることになります。



よき理解者であり助言者でもあったおばあちゃんとの、そんな不本意な別れが最後だったと知った時、後悔で押し潰されそうになったまいを救ったもの。
それは、いつかの約束でした。


遺されたメッセージに、おばあちゃんのあふれんばかりの愛を感じて、まいの瞳からはとめどなく涙が流れます。


早川司寿乃さんの解説にもありますが、この物語は「死」を、ただただ悲しいもの、救いのないものとして描いているのではありません。
大切な人の死は、誰しも悲しいもの。
けれど、この物語では、死によって身体から離れた魂に、翼を得て解き放たれたような軽やかさを感じるのです。



まいは、感受性が鋭いせいで、より顕著に「不登校」という形で表面化したのでしょうが、人は誰しも程度の差はあれ、まいのような部分を持っていると思います。
受け入れ難い状況を、ある者は自分の中でなんとか折り合いをつけ、ある者はわざと鈍感になって自分の内側のもやもやには気付かないようにして、日々生きているのではないかと。


おばあちゃんの生き方や、まいに語る言葉の数々は、そんな私たちへのメッセージでもあるのでしょう。


併録されている、まいのその後を描いた短編「渡りの一日」を読むと、おばあちゃんの遺したものは確実にまいの中に根付いたことがわかります。


物事の流れに沿った正しい願いが光となって実現していく。


まいの魔女修行は、着実にその成果を上げているようです。

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テーマ:児童書 - ジャンル:本・雑誌

[2008/01/12 14:46] 梨木香歩 | トラックバック(0) | コメント(2) | @
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コメント
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はじめまして。ブログ村からおじゃましました。

少し前から読ませていただいていました♪
いまちょうど、この本を読んでいるところなので
「あっ!」と思って。。
「渡りの一日」を読み始めたところです。

まいのような部分、わたしも感じながら読んでいました。
まいのおばあちゃんにも、いつの間にか自分の祖母を
重ねていました。

おばあちゃんの遺したものは、まいの中に息づいているんですね。続きを読むのが、楽しみです。
[2008/01/13 13:40] URL | HK #- [ 編集 ]
--HKさま--
はじめまして。いらっしゃいませ♪


まいがおばあちゃんに学校の様子を話すシーン
「興味もない話題に一生懸命相づちを打つとか、行きたくもないトイレについていくとか。そういうのが、何となくあさましくて卑しく思えてきたんだ」
というのを読んだとき、あの年頃の女の子って、ほんとにそんな感じだったな~と、遠い昔を思い出しました(笑)


あの頃、私もそういうのを馬鹿らしく思ってて、興味のある話題にしか加わらず、お手洗いには行きたい時に行く子でしたが、その他の点ではいろいろ妥協していた覚えがあります。

きっと、みんな多かれ少なかれ、そういう思いをしてるんですよね。


「渡りの一日」は、その後のまいの日常のひとこまですが、ちょっと笑えるシーンもあったりして楽しく読めました(*^_^*)
「ああ、まいはもう大丈夫!」と思える成長ぶりです。
[2008/01/13 15:34] URL | yukinousagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
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