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ふたりは屋根裏部屋で
ふたりは屋根裏部屋で (あかね創作文学シリーズ)ふたりは屋根裏部屋で (あかね創作文学シリーズ)
(1985/01)
さとう まきこ牧野 鈴子

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タイトルも内容も、「トムは真夜中の庭で」を連想させるファンタジーです。



もうすぐ六年生になる主人公のエリは、お父さんの仕事の都合で、静岡県伊東市の海の見えるマンションから東京の借家に引っ越すことに。
住み慣れた街や友だちと離れることが嫌で、最初は不機嫌だったエリも、新しい我が家を目にした途端、気分は一変します。
大正時代に建てられたというその洋館が、おとぎ話に出てくるようなあまりにも素敵な家だったので。



牧野鈴子さん描くこの洋館の挿絵は、女の子なら誰でも一度は住んでみたいと憧れるような、ほんとうに素敵なお屋敷なのです。
広い庭に、白い鎧戸。ばらのアーチ。れんがの煙突。尖塔の上の風見鶏。白い壁には蔦が絡まり、家の中はといえば、シャンデリアに大理石の暖炉。その上屋根裏部屋まで…。



屋根裏部屋って、何か秘密が隠されていそうな、いかにも不思議なことが起こりそうな、わくわくする響きを持っていますよね。



この屋根裏部屋にも、やっぱり秘密がありました。
最初は「開かずの間」だと聞かされてがっかりしたエリですが…。



止まっていたはずの古い大時計が動き始めた時、屋根裏部屋の扉は開き、その向こうは50年前の世界に繋がっていたのでした。



50年前、この洋館に住んでいた「ルミナ」という少女と友だちになったエリは、毎日のように屋根裏部屋に通い、ルミナと遊びます。
二階にちゃんと自分の部屋があるにもかかわらず、屋根裏部屋に大切なものを持ち込み、夜もそこに布団を敷いて眠るルミナ。
この屋根裏部屋は、まるでルミナとエリの隠れ家のようです。

自分を家族の「やっかいもの」だと思っているルミナと、新しい学校に馴染めず鬱々としていたエリは、屋根裏部屋だけが自分達の居場所に思えたのかもしれません。
屋根裏部屋にいる時だけは、何者からも守られ、悲しいことなど何も起こらないとでもいうように。



この本の初版は1985年(昭和60年)。
今から24年も前ですから、物語の中の「現在」が、既に今からふた昔も前です。
レコードやゲームウォッチなど、今の子どもには「なにそれ?」と思うようなもの、私のような親世代には懐かしく思えるものがいろいろ登場します。



そして、ルミナのいた昭和9年は、日本に戦争の足音が聞こえ始めた頃。
その後の暗い時代を、ルミナは果たして乗り切ることができたのか、エリにも読者にもわからないままです。
でも、それでよかったのかもしれません。
エリが、「現在」のルミナに会いに行きたいと言った時、ルミナは泣いて嫌がったので。



「どうして?どうして?そんなこともわからないの?
あたしはおばあさんなのよ。六十一歳の、しわだらけのおばあさんなのよ。
エリは、エリは、今のままなのに。
あたし、エリに見られたくない。だから、会わないで、会わないで、会わないでえ……。」




気が強くて、プライドが高く、いつも肩ひじ張って生きているルミナが、繊細なガラス細工のように見えるシーンです。
エリは無神経な自分を恥じ、決して会いに行ったりはしないと誓うのでした。



エリが、新しい学校のクラスメイトに覚える苛立ちや、ルミナの弟ルイに対して感じる罪悪感。そして、初潮を迎えた日の戸惑い。

ああ、この年頃の女の子って、いろいろと不安定で、ほんとにこんな感じだったよなぁと、かつての自分を思い出して、何か面映いような懐かしいような心地がします。



残念ながら絶版になっていて、今は図書館か古本屋さんを探すしかありませんが…。
Amazonのマーケットプレイスに予約して、やっと手に入れた1冊です。


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テーマ:児童書 - ジャンル:本・雑誌

[2009/01/18 22:20] さとうまきこ | トラックバック(0) | コメント(2) | @
<<HN変更しました。 | ホーム | 九つの銅貨>>
コメント
--『ふたりは屋根裏部屋で』--
俺も小学生の時に読みましたよ。とても神秘的で魅力のある話でしたね☆
結構本は昔から読んでますけど今でも思い出深い本の1つですw
持ってるんですか?いいですねっ・・・とうぶんは図書館で借りて我慢しようと思いますw
[2009/05/03 18:18] URL | 慧生 #9PSbiepQ [ 編集 ]
--慧生さま--
はじめまして。

この本は、古い洋館に屋根裏部屋、タイムスリップと、子どもの心をワクワクさせる要素がいっぱいでしたよね(*^^*)

牧野鈴子さんの挿絵もとても素敵で、想像力をかきたててくれました。

古本で手に入れるのもなかなかたいへんだったので、復刊したらいいのになぁと思います。
[2009/05/03 19:49] URL | asagi #9kA7E2gM [ 編集 ]
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